消費しきれない量のカツオが釣れたので保存食作ってみたい
今年の秋口、戻りガツオを狙って相模湾で釣りに行ってきた。結果は3本。どれも小さめだったけど家には大人一人しかいない状態だったので1本は実家に。残りの2本は一人で消費することに。
したんだけど、カツオって1本から4本のサク(スーパーで売ってるサイズ)が取れる。つまり2本のカツオがあるってことは最悪1人で8本のサクを食べきらないといけない。
そんなにカツオばっかり食べてられないっしょ・・・!
どうにかカツオを保存食みたいにして食べる方法ないかな?
いやいやあるよね?こんなに水揚げ量の多い魚だし、日本全国探せば保存食の1つや2つあるはずだよね?と思って探してみると「ザ・カツオの保存食」っぽいものが1件HIT!!
その名も「潮鰹」。
表記は色々あって「潮かつお」「塩かつお」「汐かつお」と揺らぎがある。伊豆の一部エリアの郷土食のようで、現在まで伝わっているものみたい。原材料は塩、カツオ、この2つのみ。
作り方もシンプルで塩に2週間ほど漬けて、その後2週間ほど寒風にさらして干し上げて完成とのこと。これで数か月持つらしい。しかもそのままでも食べられるっぽい。鰹節よりも難易度が低そうだ。
これは一度試しに作ってみる価値ありそうだな!ということで、今回はカツオの半身を使って「潮かつお」を実際に作ってみた。本場で作られている本物の潮かつおよりは劣るかもしれないけど、どのような食べ物かは分かるはず。
これで美味しかったら買ってみるのもありかな・・・
この記事はこんな方向け
- 釣りすぎたカツオを長く美味しく食べられる方法を知りたい
- 「潮かつお」ってどんな食べ物なのか知りたい
- 「潮かつお」は家庭でも作れるのか知りたい
潮かつおを実際に手作りしてみる
潮かつおの作り方は割とシンプル(らしい)。ちらちら調べた限りだと、塩漬けにして干せば完成するらしいのでとりあえず物は試しでカツオを使ってみる。
作り方は簡単2ステップ。時間がかかるだけのはず。
- カツオを塩で2週間漬け込む
- カツオを2週間乾かす
これで完成するはず!
大量の塩に漬け込んで冷蔵庫に放置
まずは3枚下ろしにしたカツオを用意し、上下にたっぷり塩をして冷蔵庫に放置する、という手順。
下に5mmくらいの厚さで塩を敷き、腹骨もすいて血合い骨まで抜いたカツオを乗せる。で、上からまたたっぷりの塩で身を覆う。
ちなみに今回使ったカツオの左半身だけど↑この画像を見るとすこーし身の傷みが始まってるようにも見える。安全に作るなら持ち帰った翌日くらいには塩かつおとしての仕込みを始めた方が良いかもしれない。
1週間後・・・水が上がってきた
そして1週間。カツオの周りに水が上がってきた。カツオ自体は脱水が進んでいるみたい。
すこーし臭いが出てるけどこれは乾燥させたら消えるもんなのか?
まあ今のところ食べても大丈夫そうかなー。
2週間後・・・水は完全に上がりきってる状態
続けて放置し2週間経過。
水はこれ以上でてこないっぽい。塩に赤い色が移っているみたいだけど臭いは1週間前から変化なく特に問題なさそうなので次の乾燥の工程へ。
ピチットシートで脱水&冷蔵庫でさらに2週間放置
本場では真冬の寒風で干しあげているようだけどこの潮カツオを作っているのはまだ10月。
日によってはポカポカするくらいには暖かい季節なのでピチットシートで半強制的に脱水処理を施す。ピチットシートで3日ほど放置したら網に置いて冷蔵庫で10日ほど放置。
トータル約2週間干しあげる感じになった。
完成!!
そして2週間経過した潮カツオがこちら!
がっつり乾いていて結構硬い。そしてなんだかあまり良い色では無いけど食えるのかこれ?
ひっくり返すと↓こんな感じ。表面が少し変色しているようで、臭いはこのあたりから出てきてるっぽい。そして端の方は塩が浮き出てきてて白くなってる。
やばい。相当しょっぱそうだ。
潮かつおを食べてみる
とりあえず薄めにカットしてみると思いのほか安全そうな見た目
まずは試しにそのままスライスしてみると、中身は結構綺麗な赤色のままだった。これはけっこういけるかもしれない・・・?
でも周りの色は茶色いし、塩漬け1週間で微妙に感じてた臭いがやっぱり気になる・・・塩のまわりが弱いところがあったんだろうなー。
とりあえず表面をトリミングしてみると臭いがキレイに消えた!そして断面からは深い赤色の身が出てきててなんだか美味しそうな雰囲気が強くなってきた。
これは期待できるかも!
焼いて食べてみる
まずは焼いて、スダチを少しかけて食べてみる。
しょっっっぱ!!これマジでしょっぱい!!!!
塩漬けしたものだからそりゃそうかって気もするけど本当に塩が効いてる。なるほど、少量をちびちび食べる系の食べ物なんすね!
いやでも本当にしょっぱいw日本酒必須かも。。
微かな臭いがある表面をそのままにして食べるとやっぱり臭いが気になるので、表面を削って芯の方を焼いて食べてみると…おお…これは美味しい。鮭とばの様な美味しさにちょっと近い。
鮭とばのような魚っぽさはそこまで強くなくて、もうちょい上品な風味を持ってるのが分かる。
しかし塩がきっついわー。
そのまま(生)で食べてみる
少しでも臭いがあるところは全てトリミングして、また薄くスライスして今度は生で食べてみることにした。本場でもお酢にかるく漬けて食べたりするらしいので生食は問題ないはず。
1つつまんで口に入れてみると…
あれー、美味しいじゃんか!!!!
やばい!焼いた時と段違いで生の方が美味しい。
食感は生ハムをもう少し固くした感じだけど不思議となめらか。塩味強めで骨太な旨みも感じられる。
これ、生ハムより好きかも。上手く作れば商品化出来るんじゃない…?少し齧る程度でも超日本酒ほしくなっちゃうし、本当に酒のあてとして優秀な味わいだと思う。
いやー、日本酒買いに行かないとw
まとめ:潮かつお、そのまま食べるとかなり美味いぞ!!
釣れすぎたカツオの使い方の一つとして、今回お試しで潮かつおを作ってみた。時間こそかかるものの作り方はシンプルなので丁寧に作業すればそんなに大きな失敗はしなさそうな印象だ。
今回は塩のまわりが甘い箇所から少し臭いが出てしまったようなので、次回は高鮮度の状態でしっかり塩を回しきることを注意して作ればもっと品質の良い潮かつおが作れそう。
そして焼くとしょっぱさが超際だつ。一方、生で食べるとしょっぱさよりも適度なねっとり感や上品さを感じるカツオの風味と旨味を感じやすくとてつもなく美味い。
つまり、潮かつおは美味い。
ということが分かった。本場の潮かつおもそんなに高くないし、買ってみて本場の味を確認してみようかな。
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