大分の美人鰤を1本まるっと取り寄せてみた
ブリの食べ比べ、今回は美人鰤という大分県の有名ブランド養殖ブリを試してみることにした。
養殖ブリでは前回長崎の平戸なつ香ブリを試してそのあまりの身の柔らかさとしっかりした脂ののりに驚いた記憶が強い。
今回の美人鰤は酒粕を餌に加えたということで直感的には優しい味わいに仕上がっているのかな?とちょっと期待値高めでいるんだけど、どうかなー。
一本あたり5kg前後らしく、家でさばける大きさだしアラも思う存分使えるのでそのまま一本で取り寄せてみる。
購入先は村松水産さんから。(だったはず)
例によって、色々な食べ方を試してみて、どんな特徴がありそうか&どんな食べ方が相性良いのかを検証してみた。
この記事はこんな方向け
- 美人鰤の食材としての特徴を知りたい
- 美人鰤はどんな食べ方と相性が良さそうなのか知りたい
美人鰤の前評判
ブランドもののブリは与えている餌の違いを売りにしているところが結構多い。今回の美人鰤は酒粕を餌に混ぜて与えていること。「東洋美人」という日本酒の酒粕。
で、それが味にどんな影響を与えているのかというと、、、
- 酒粕の甘みをほのかに感じる
- ブリ特有の生臭さが消える
- グルタミン酸が通常の養殖ブリより約2倍になった
こんな感じらしい。これが本当なら相当に美味いブリだと思うけど大抵期待値を高めすぎて後でギャップに苦しむことが多いので「ブリの臭いとか脂の臭いとか脂のくどさとか少なめだといいですね!」くらいにとらえておく。
今回取り寄せた美人鰤
今回は一本まるごと取り寄せてみた。発泡スチロールの梱包で届いたけど今までで一番厳重に梱包してあったかも。
縦横にテープ、そして下にはプチプチのクッション材がついてる。
そして中から出してみると立派なブリさんがーーー!!!!
カメラに収まりきらない!!w
血抜きされているとはいえこの大きさだとエラを取るだけでもそれなりに血は流れるもの。でも不思議なことに血なまぐささを全く感じず、梨のようなほんのり良い香りが出てきた。
美人鰤、中々面白そうなお魚。
三枚おろしやブロックに切り分けると綺麗な白い身。
やっぱり血なまぐささも無い。丁寧に養殖されたブリなんだろうな。
9種類の食べ方で味わいを検証してみる
ということで早速たべてみた!!
CASE1.刺身
腹側、背側ともにめっちゃ脂のってる。身が柔らかいけどそこまで柔らかすぎということも無く、食べ慣れてるブリの味。
日本酒的な何かは特に感じることも無く、うん、、普通に脂ののってる養殖ブリの味だわ。普通に安心できるお味です。
養殖ブリ特有の風味というか臭いはちゃんとある。ブリ特有の臭いがかなり抑えられているという前評判だったけどこれ普通にブリ臭あるよな。生臭さとはまた別なのか・・・?
旨味2倍というのがどんなもんなのか分からないけど、ほかのブリに比べて明らかに旨い!!とはあまり感じない。
塩で食べてみると確かに何となく甘みを感じるけど脂が強すぎて身の甘みというか脂が甘いんじゃないかと思えてくる。
んー・・・普通のブリだな!!w
CASE2.漬け丼
刺身が本当に素直な普通のブリって味だったので漬けにして味わいが変わるのか試してみる。
大きな驚きも無く美味しい。これと言った特徴も無い。
すりおろし生姜と海苔、ついでにすりごまをトッピングしてみた。
・・・生姜と海苔とゴマの味わいが足されたのは分かったけどそれ以上の何かは無い。
中々不思議なブリよ・・・
CASE3.カルパッチョ
セビーチェじゃなくてカルパッチョ。ブリに塩をして水分を抜いた後、焦がしニンニクとオリーブオイル、レモン汁で和えてみる。
せっかくなのでトマトも添えて。
うーん、、そうだなぁ・・・。ブリをカルパッチョにしたらそりゃこういう味になるよなぁ・・っていう味かな・・・。
普通に美味しい。変な臭い(ブリ特有の臭いはあるけど)は無いけどこれと言った特徴はやっぱり感じられない。
CASE4.〆ブリの握り寿司
脂ののったサバをしめ鯖にすると美味しい。脂ののった青魚はお酢と相性良いんじゃね?と思っていたのでせっかくの機会に〆ブリにしてみた。
背側の節をテンパしてマグロのようなサクに切り出し、大量の塩で水分を抜いた後米酢にしばらく浸す。
せっかくなのでそのままお寿司に握ってみる。
う・・・うまいじゃんか・・・!!!!
お酢を使ったのが良かったのかブリ臭がかなり抑えられて、かつ脂ののった味わいがややサッパリしつつも酢飯を包むようなまろやかな美味しさに仕上がってる。
ここの来てようやく美人鰤がヒット!!って感じ。
その後押し寿司にもしてみたけどこれも美味しかった。(味わいは握り寿司とさほど変わらず)
CASE5.ブリ大根:脂のりは抜群でブリ臭あり
さばいてて全く魚っぽい匂いが無かったので試しに生姜を入れずに圧力鍋で骨まで柔らかくしてみた。
結果・・・ブリの臭いがww
普通に良く感じるブリの臭いが強いー。これは間違いなく生姜必須!!
アラを使ったからなのか脂の感じも相当強いので、何だったら一回沸騰させたあたりで脂を捨てて作った方が食べやすくなったかも。
CASE6.カマの塩焼き
カマにしっかり塩をして焼き上げてみる。うちのグリルでは焦げすぎるのがデフォルトなので見た目はしょうがない。
大量の脂が滴り落ちることによって表面は揚げたような感じに仕上がった。
やはりカマ付近の脂はすさすさまじいぜ・・・
食べてみると意外なことに上品なブリらしさ全開。多すぎる脂が抜けたことと、もともと癖の少ない脂だったのが功を奏して、かなり食べやすくなった。
CASE7.塩ブリ
一本丸ごとのブリをどうやって食べきるかと言うとやっぱりある程度は保存食化して冷凍保存するのが吉。美人鰤も塩ブリにして保存することにしていた。
そのうちの一切れを焼いて食べてみる。
んー。ん?予想していたほど旨味が出てないような・・・?何か美味しくないポイントがあるわけじゃないんだけどどうも味がぼやける。
氷見の寒ぶりで作った塩ブリはとんでもない美味しさだったんだけど美人鰤の塩ブリはなんかやっぱりこれと言った特徴を感じないんだよなー。
もしかして思いっきりいろんな味で装飾してあげた方が美味しくなるタイプなのかな?
CASE8.塩ブリで粕汁
カマも切り分けて塩していたので今度は粕汁にしてみる。昆布出汁以外は切り身から出る出汁で勝負するところがあるので、若干の不安があるもののきちんと作ってみた。
うーん、良い香りですねー。いざ食べてみると・・・
あー。
やっぱりあれだな。
なんか特徴無さ過ぎて困るな。
まずくはないし、変な臭いも無いんだけど、美味しいと感じるポイントもあまり無い。
秋鮭で作った粕汁や佐渡島の天然ワラサで作った粕汁を思い出すとそちらの方が魚の香りや旨味が骨太な感じで主張してて美味しかったな。
CASE9.ムニエルwithトマトソース
そういえばこのブリを洋風で食べたことがまだなかった。小麦粉つけるのを省略したのでポワレみたいになってるけど気にしない。
トマトソースにキノコとキャベツのソテーも加えて晩御飯のおかずで食べてみる。
お、癖のないブリ。淡泊な味わいに濃厚なトマトソースの味わいが相性良い感じ。
結構美味しくなったかも!!
やっぱりこのブリは装飾してあげると良さそう。「淡泊」という表現がしっくりきた。
まとめ
バランスの取れた淡泊な養殖ブリ
前評判は色々あったけど、各種食べ方にトライしてみた僕の感じたところでは「淡泊なブリ」だった。
- 脂・・・しっかりのっている。
- 食感・・・普通の養殖ブリ。
- 香り・・・変な脂臭さは普通の養殖ブリより控えめ。でもブリ臭さはしっかりある。
- 旨味・・・あまり感じない。
つまり、脂は凄いんだけどその割にあっさりしてるというか、味わいがやたら淡泊。でもブリっぽい臭いはあるので少し濃いめの味付けでしっかりと味を加えてやると美味しくなるみたい。
そして不思議なことに上品な感じにバランスが取れてるので、どんな食べ方でも失敗しないというのはこのブリの強みかも。
ちなみに日本酒らしさを一番感じたのはさばいてるとき。生臭さが全く無くてほんのり梨のフルーティな香りがして不思議な体験だった。
どうにかするとこの香りをちゃんと楽しめる食べ方があるのかもしれないのかなー?
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