出刃と柳刃は定期的な研ぎ直しが必要
魚を調理することが多くなると、段々三徳包丁だけでは心許なくなってきて出刃包丁や柳刃包丁といった和包丁を揃え始める。
特に船釣りを始めると堤防サビキとは比較にならない大物を持って帰ってきたりもするので、釣った魚を食べる釣り人にとっての包丁は美味しく魚を調理するための必須道具。
だが、出刃包丁や柳刃包丁といった和包丁は定期的に研ぎ直してやらないとどんどん切れ味が落ちてしまう。最近初めて和包丁に手を出した方はその事実に直面して戸惑っているかもしれない。
…そう、和包丁は砥石による研ぎ直しというメンテナンスが必要なのだ!!
そこで今回は、和包丁初心者が出刃と柳刃を研ぐために必要な最低限の砥石の種類と道具を紹介したい。
僕が今現在使っている道具たちなので、初心者向けとしては十分通用している。
この記事はこんな方向け
- 出刃包丁や柳刃包丁を使い始めたので、揃えた方が良い砥石を探している
- 包丁が欠けた時に使える砥石が知りたい
砥石選びは難しい?
ところで和包丁限らず全ての包丁に共通して、メンテナンス、つまり研ぎ直しは大事だ。何回か使うと少しずつ刃が鈍ってきてうまく切れなくなってしまうので、安全面を考えると定期的に研いでやることが必要。
なので基本的に包丁を買ったらメンテナンス用に砥石や研ぐための道具も用意する必要があるのだが…この選び方が超難しい。。
砥石は荒い方から#80、どんどん細かくなっていき#6000とか#10000までバリエーションが豊富だ。僕もそうだったが、砥石を初めて買う人は種類が豊富すぎてどの番手を買えば良いのか迷ってしまうと思う。
少し調べれば分かるんじゃない?と思うかもしれないが、これが分からない。。
あなたの包丁ならこの砥石!!と言ってくれるサイトが無いし、砥石メーカーによって必要だと言う番手が違っていて基準も曖昧…。
まず包丁自体の種類が多い。
- どの材質(鋼?ステンレス?セラミック)
- どんな刃(両刃?片刃?)
- どんな形状(いわるゆ包丁の形?フィッシングナイフみたいな形?波刃?)
と、色々と要素があるのでサイトの方も「砥石の選び方」まではざっくりガイドできるが「あなたには何番の砥石があれば大丈夫!」と言い切ることはできない。
例えば波刃のナイフを研ぎたいなら普通の砥石ではなくスパイダルコ社から出ているナイフ用の研ぎ道具(ナイフシャープナー)を使う方が適している。
…ということで、今回は僕自身が使用している出刃包丁と柳刃包丁メンテ用をそのまま紹介してみる記事にしている。
必要な砥石は荒砥、中砥、仕上げ砥
先に結論を書くと、出刃や柳刃包丁初心者ならこの荒砥、中砥、仕上げ砥の3つがあればしばらく困ることは無い。
おすすめの番手はこちら。
- #400
- #1000
- #3000
砥石は荒砥、中砥、仕上げ砥に大きく分類されており、それぞれ目的が違う番手なので1つずつ解説していく。
400番の荒砥石は超極小の刃こぼれに使う
400番は荒砥よりの中砥と定義しているサイトもあるが、ここでは荒砥として紹介する。
最初の頃は包丁の扱いに慣れていないこともあり、刃がすぐに微妙な感じになることがすごく多いと思う。
購入した刃物屋さんに持っていけば刃を付け直してくれるのだが、毎回頼むのも手間がかかるし、刃こぼれっていうよりは少し刃がざらついてるような感じ…
という時に活躍するのが400番だ。ごく僅かな極小刃こぼれならこれくらいの番手で修正することが出来る。
パッと見、目に見えるか見えないかレベルの刃こぼれの修正力は抜群なので、期間があいた後のメンテナンスは400番から始めるというのもアリだ。
※見てわかるくらいの小さな刃こぼれができたら400番より荒い、誰が見ても荒砥です!という荒砥石が必要。僕は220番くらいを使うが、日常的に使うことを目的とした番手ではないので定期的なメンテで使うことは避けよう。
1000番の砥石は日頃のメンテナンス用
出刃や柳刃など、鋼を使用した包丁は定期的に研いでやらないと切れ味がぐんぐん落ちていく。
その定期的な研ぎ直しに1番良く使う一般的な番手が1000番だ。
最近切れ味が落ちたな~という時とか、1日でも大量の魚をおろした時、1000番で軽く研いでやるだけでもかなり切れ味が戻る。
普段使いの三徳包丁なら1000番だけでも十分よく切れるという人もいるかもしれない。
400番で研いだ後も1000番で切れ味を戻す作業が必要になるので、どんなシーンでも使われる汎用的な番手として用意しておくと良い。
3000番の砥石は研ぎの仕上げ用
鋼の和包丁の場合、3000番は1000番の後に必ず使いたい砥石。
1000番で結構切れ味が出るとして、その後3000番で研ぐことでその切れ味に磨きがかかり、刃の持続力が増す。刃の細かなカエリの修正も兼ねているのでまさに研ぎの仕上げのための番手。
3000番以上を使って研ぐと包丁自体も鏡面のようにギラっと光るようになる。研ぎに慣れてきたら3000番よりもう1つ上の番手で6000番くらいも揃えておくと、包丁の仕上がりがより美しくなり切れ味がさらに鋭くなる。
両面違う番手の砥石でお得に使うのも一手
砥石を初めて購入する際は1つの番手で1個の砥石になっているものよりも、2つの番手の砥石を貼り付けたものの方がおすすめできる。
専門職なら話は別だが、そうでなければそんなに高頻度で包丁を研ぐことも無いので2つの番手の貼り合わせタイプでもしばらくは余裕で過ごせるはず。
大きいものを買って結局使わないということにならないよう、最初はお得に複数の番手を試せるものを選ぶのがおすすめだ。
砥石のメンテナンスに使う石も必要
タイトルで砥石は3つあれば良いとか書いておきながら後出しになってしまうが、実は砥石自体もメンテナンスが必要。
何回も研ぐうちに、その人の研ぎ方のクセが出て砥石に凹凸が出来てしまうのだ。
研ぎは平面な砥石でないと均一に包丁をを研ぐことが出来ないため、定期的に砥石の凹凸をならす作業が必要になってくる。
砥石をならすための砥石は↓が使いやすい。砥石を揃える際はセットで考えよう。
使い方は簡単で、この石を砥石に擦るだけ。ただしお互い硬いので、何回もすらないと平面にはならない。
砥石のメンテを怠ると、この作業が結構な重労働になるので凹凸が大きくならないうちに、こまめに修正しよう。
まとめ
和包丁の使い始めで揃えておきたい砥石はまず400、1000、3000の3つ。そして砥石メンテ用の砥石で計4つだ。
出刃包丁は荒っぽい使い方をするとすぐに鈍るし、柳刃包丁は使い方を間違えるとすぐに欠けてしまう。
新品の包丁を使っても砥石の出番はすぐにやってくるので、早めに揃えて包丁研ぎの練習を始めよう。
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