ひょんなことから1.5kgの白寿真鯛を購入してみた
最近、飲食店の友人から「津本式の真鯛が売られている」と耳にした。卸売りで販売されているらしいのだが、最近一般消費者向けにも出し始めたとのこと。
先に試しで使ってみたという友人の評価は「超うめー!!」というめっちゃ高評価だったので気になり調べてみた。
お、ここね。津本式の仕立て人がちゃんと真鯛を仕立てて発送してくれるみたい。
ということで早速1.5kgの真鯛を購入し、どんなもんか試してみることにした。白寿真鯛はほかの真鯛と比べてどんな感じなのか、美味しいのかどうなのか、この記事でまとめておく。
この記事はこんな方向け
今回の記事を読むとこんな知りたい欲求を満たせるはず!
- ・白寿真鯛の特徴が知りたい
- ・津本式による仕立てをされた魚がどんな状態になるのか知りたい
- ・白寿真鯛はどれくらい寝かせられるのか目安を知りたい
ちなみに「ちょっとお高いけどそれだけの美味しさがあることを期待したいなー」と思ってたんだけど先に結論書いておくと脂ののりが凄く良いし変な臭みは全くないし10日も寝かせると旨味はしっかり出てるしで超美味しい!!
10日寝かせても全く臭みの出ないきれいな白身
3重の包装で水分と空気が取り除かれている
白寿真鯛は到着したときは↓こんな感じでビニール袋で縛られた状態になっていて、このまま冷蔵庫や氷水で寝かせていく。
津本式の仕立てが施されているので脱血処理を行ったあとに紙とビニール袋で包んで空気を抜き、0℃付近で貯蔵するんだけど、今回はグリーンパーチの包みの下にさらにもう一枚厚手の紙がまかれていた。
水分とるために紙も2重巻き、んで空気もシャットアウトするためにさらにビニール袋で空気を抜いてしっかり縛ってあって中々堅牢。
最後の紙も外してみると立派な真鯛がお目見え!!今回頼んだのは1.5kgだったが尻尾まで含めると体長45cm~50cmくらい。結構立派なサイズ。
目も透き通っていて10日寝かせたとは思えない状態。右側も見てみるとエラブタ上部に脳天締めの後の穴がある。
ちなみにこの状態で臭みは全く感じない。(鼻風邪引いてるから麻痺してるだけか?)
3枚におろしてみると超綺麗な白身が・・・!!
続いて三枚おろしにしてみると・・・
おおお、身が真っ白!!脂が回った状態ってやつなのか!?そして結構柔らかくて身割れしやすい。さすがに長期間寝かせると身はある程度やわらかくなるよねー。
さらに皮を引いたりしてみると!!
皮目の脂がすんごい!!これ真鯛だよね?ブリじゃないよね?と思っちゃうくらいに気持ちよく脂がのってる。
そしてやはり臭みは感じない。脂はのってるけど脂臭いという感じも無くさらっとした質の良い脂だ。
6種の食べ方を試してみたら炙りや加熱調理系と相性よさげ
3枚におろして、10日寝かせた白寿真鯛は結構身が柔らかくなっていることとかなりの脂を持っていることが分かった。サイズも立派で色々な食べ方が出来そうなので基本的な食べ方を試してどんな食べ方が相性良さそうか、13日目まで継続して食べてみた。
まずはお刺身(10日目)
まずは王道のお刺身から。柵どりした上半身を使って何枚か食べてみる。
おお、やはり皮目の脂がリッチな味わい!!
身はかなりしっとりしていて旨味が感じられる。醤油を少しつけて食べると旨味がさらにわかりやすくなる。王道の真鯛の刺身もこれだけ寝かせるとかなり味わいが変わるんだなー、と再認識。
身が結構柔らかいので少し塩して引き締めて食べてもおいしそうだ。
続いて握り寿司2種(10日目)
刺身を食べて大体の感じは分かった。生で食べると身は柔らかく脂がたっぷりのった味わい。ということはお寿司との相性はかなり良いはず。
まずは普通に皮を引いた握り寿司!
うん、予想通り酢飯との相性はかなり良い。真鯛の身質と米粒がバランスよく混ざり合うのでかなり美味しい。ただやっぱり少し身が柔らすぎるかなー?塩とかで少し引き締めた方が好み。
続いて炙り寿司!
皮付きで炙ると美味しいらしいので早速炙りでも試してみる。
やばい、めっちゃうまいぞ!!
炙ったことで脂が浮き出てきてリッチさがさらにプラス、さらに少し加熱されているので身の表面も適度に締まって食感が凄く良くなった。
炙り寿司はかなり当たりの食べ方かもしれない!
カマ焼きはどうだ!?(11日目)
白寿真鯛をさばいた当日は刺身とお寿司でお腹いっぱいになったので翌日は別の食べ方を試してみることに。
炙ってあれだけ美味しいんだから加熱調理系と相性良いんじゃね?
と思ってシンプルにカマを塩焼きにした。
美味いねぇ・・・実に美味しい!
焼くことで余分な脂が落ちるし、脂自体に嫌みのある臭いがなくサラッとしているのですごく美味しい。
皮目のパリっとした感じも良いし、白身だけどブリの様な濃厚な味わいを楽しめる。カマ焼き、非常に良いっす!!
香草焼きは?(12日目)
カマ焼きを食べてみて思ったのが、白寿真鯛は洋風の加熱調理とかなり相性良いんじゃね?ということ。
焼けば脂が適度に落ちつつもリッチな味わいを楽しめるし塩味だけでも醤油を数滴たらしても美味しい。が、真鯛特有のあの少し磯っぽい香りとこの脂の香りはたぶんローズマリーとかと結構マッチしそうな印象だった。
ということでムニエルにしてみた。(焼きすぎた・・・)
使った香草はローズマリー、セージ、オレガノ。仕上げにブラックペッパーと少し華やかにピンクペッパー。
うん、やっぱり間違いない美味しさ!
より「調理された」って感じの美味しさで、結構ハーブやスパイス系使ってもしっかり馴染むみたい。白寿真鯛は万能タイプだな。
昆布締めでいってみよう(13日目)
もともと真鯛は昆布とかなり相性が良いお魚。以前久里浜で釣った真鯛も臭いはあったものの昆布と合わせると非常に濃い旨味が感じられて美味しかったのを思い出す。
それにある程度脱水されるので長めに保存できるようになるのも昆布締めのメリットだ。
今回寝かせた白寿真鯛でも試してみることにした。
昆布締めといっても数時間程度の軽めで。経験上丸一日昆布で挟むとかなり昆布の味が強くなることが多いので軽い昆布締めで様子を見てみる。
・・・おお、身がねっとりして旨味が倍加された感じ!美味しいやん!!
もともと持ってるリッチな感じにさらに昆布との相乗効果でかなり旨味が強くなってる!
まとめ
脂の質の良さ、皮目の美味しさ、加熱との相性の良さが特徴的
今回初めて頼んでみた白寿真鯛、間違いなく長期保存に適している。
津本式の仕立てを施されているのでしっかり10日間寝かせてから13日目まで食べてみたが、結局13日目まで臭みや傷みはほぼ感じることなく美味しく楽しむことができた。寝かせたことによる旨味も濃厚に出てきていて「熟成魚」を体験してみたい人にはおすすめかもしれない。
ちなみにこの魚なら5日目あたりからでもかなり美味しく食べられると思う。長期間寝かせずとも初期のころから脂の旨味は強いし身自体の食感はあまり寝かせすぎず強めの食感の方が好みな人も多そうだ。
脂ののりは天然ものではあり得ないレベルだけど、くどく無い。
脂臭いということもなくあっさりした味わいで脂の質が良いのが分かった。こんな感じの脂ののりの養殖ものってあまりないし、このあたり白寿真鯛の強みだと思う。
さらに、皮目の美味しさがかなり印象的。
揚げ物にするよりは塩焼きや炙り、湯霜など皮の旨味を味わえる調理法で食べると幸せだった。ゼラチン質と脂と旨味がすべて美味しい。
最後に、加熱調理との相性の良さが際立った。
炙った握り寿司はかなりの美味しさだったし、さらにカマ焼きや香草焼きも抜群に美味しかった。加熱すると不思議と良い香りが出てきて食欲をそそられる。ムニエルにしてパンにはさみサンドイッチのようにして食べても美味しそうだ。
白寿真鯛は養殖の美味しさを追求した真鯛
白寿真鯛は天然ものとは違う、養殖だからこそ実現できる美味しさを追求した真鯛だった。脂の感じもそうだし、長期間寝かせることが可能な状態で安定供給できるのも養殖だからこそなのかな、と思う。
食べてみてかなり高レベルの万能選手ということは分かったので、今度食べてみるときはエスニック系や中華などもっとバリエーション増やして楽しんでみたい!!
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