希少なスマガツオ、一度で良いから食べてみたかった!!
いつも頼む通販サイトから毎週各地の水揚げ情報が連携されるんだけど、今回はなんと高知の九石大敷からスマが揚がっていたとのこと・・・!!
スマと言えばカツオっぽい見た目なのに味はマグロの中トロのような味わいで一般にはあまり出回らない高級魚じゃんか!
愛媛では養殖されていて「媛スマ」というブランドがついているほどですよ。
「いつかは食べてみたいけど、媛スマは1本1万円くらいするから庶民は手が出せないんだよなぁ」といつも心の片隅で思っていたのでこれはチャンス!
早速スマが揚がったら入れてほしいです的な希望を添えて鮮魚セットを頼んでみたら、、来ましたよ!スマ!!
重量1.5kgの神経締めされたスマです!
よーし、こいつを余すことなく食べつくすぜ!!
・・・ということで、今回の記事ではスマがカツオやマグロといった似ている魚とどう違うのか、実際に捌いて色々な食べ方を試してみて分かったことをまとめてみた。
天然ものや媛スマの入手方法もまとめてるのでスマが気になってる人はこの記事チラ見しても後悔しないと思うよ!
この記事はこんな方向け
ということで、↓こんな感じの疑問には応えられるはず!
- スマってカツオなの?マグロなの?どんな味すんのよ?
- スマが鮮魚セットに入ってきた。どんな食べ方が一番美味しいですかね?
- スーパーでスマが売ってたんだけどちょっと高め。買うだけの価値があるのか判断したい。
- スマを買ってみたいけどどこで手に入るかな?
スマガツオってそもそも何よ?
さて、今回手に入れたスマを食べてみる前にどんな特徴があってどんな評価がされている魚なのか、大きく4つの点をまとめておく。
種類:カツオでもマグロでもなく「スマ」
スマ。実は学術的な分類としてはカツオやマグロとはちょっと違う。科の下の分類である属が違う。
カツオ・・・サバ科カツオ属
クロマグロとかキハダマグロとかミナミマグロ・・・サバ科マグロ属
マサバとかゴマサバとかタイセイヨウサバ・・・サバ科サバ属
と、マグロやサバって複数種が「属」の中に含まれてるんだけど、スマは「サバ科スマ属」の中に1種のみ。
つまり、一属一種の孤高な存在なのがスマ。
外見:お腹の斑点模様が特徴的
スマはその呼び方以外にもスマガツオ、ヤイトガツオと呼ばれたりする。見た目明らかにカツオの仲間なので〇〇ガツオって言われるのは分かるんだけどヤイトって何ですかね・・・というと、ヤイトとは「灸」のこと。
やいとってかいて変換してみると灸の字が出てくる。お腹のあたりにある黒丸の模様が灸ということでヤイトとも呼ばれるみたい。
ヒラソーダやマルソーダ、カツオにはない見た目なのでスマを一目で見分けるならこのヤイト模様を見つければOK。
ちなみにスマは縞から来てるらしい。横縞模様のある縞ガツオが変化してスマガツオ。
流通量:幻の魚レベル
スマって関東圏では一般にはあまり聞かないお魚。
それもそのはず、そもそも漁獲量が少ないのでカツオのようにスーパーにどどーんと出回ることがあまり無い。少なくとも関東圏などの東日本では存在自体がマイナー。基本的に産地で消費されることが多いらしく、幻の魚ともいわれる。
そして高級魚。多分スーパーに置いても「あまり聞かない名前のくせして値段だけは高い謎のカツオっぽい魚」というイメージになるので中々買われにくいのかもなー。
ちなみに漁師さん直送市場から(九石大敷さんから?)来ているスマの説明も「高級料亭や寿司屋などでしかなかなか出回らない高級魚」ってなってた。
巷での味の評判:マグロの中トロみたい
Web上でスマの評価をちらちら見ていくと、「脂のりが良くて美味しい」という評価が多い。
あとは「マグロに似てる」「カツオっぽくない」とな・・・。
ブランド養殖の媛スマに至っては全身トロとか中トロという表現まで使われている。天然ものではなく養殖が全身トロなので、今回入手した天然のスマ(しかも旬ではない)はおそらくトロとまではいかないんじゃないかな・・・?
捌いて分かったスマのポテンシャル
捌き方はカツオと一緒
スマの捌き方をちらっと見てみると普通のカツオの捌き方と同じみたい。
ということで同じように、カツオと同じようにまず頭を落してみる。
うーん、さすがに神経締めされてるだけあって身にはすっごい張りがあって鮮度抜群感半端ない。
身の色がカツオじゃない!!!!
と、、これは!!
色合いがカツオと明らかに違う!!
この切り口、中トロみたいなピンク色をしているぜ・・・。
カツオならもっと深ーい赤色ですよね。これはもう全然違うお魚確定ですね。
見ただけで身に脂のサシが入ってるのが分かる。これは本当に丁寧に味わって食べないと勿体ない魚ですね・・・。
続いてサクにしてみると、血合いは少なめみたい。血合い以外の部分はマグロで言うと赤身から中トロの感じに似てるのが分かる。カツオとは違って淡い色合い。
さらに皮を引いてみると・・・
やっべえ脂(笑)
戻りガツオでもこんなの見たこと無いわwそしてこんなに脂がのってて美味しくないわけがない!!もう期待が無限に高まっていくぜ・・・!!
天然スマガツオを6種類の食べ方で味わってみる!!
スマの刺身:うますぎて笑える
さっそく食べてみよう!!まずは右側の腹身をお刺身で!血合いは敢えてそのままで!
うーん、盛り付けてみてもやっぱり分かる。この脂乗りの良さ。
というかもうサシが入ってるからね!こりゃ確かに中トロっぽい雰囲気あるわ・・・。
おお。
おおおおおおおおおおおお!!
めっちゃうまい!うまくてちょっと笑えてくるw
なるほど、これは確かに高級魚だ!
時系列的に感想を並べてみると・・・
- 口に入れた瞬間は脂のあっさりしたマグロの中トロっぽい雰囲気
- 食べてる途中はもう完全に天然ものの中トロでなんとも落ち着いた食感
- 食べ終わりに心地良い脂の良い香り
- 後味にカツオ特有の鉄分の香り
ウィスキーのテイスティングしてる気分になってきた。。あ、これを簡単に表現すると、天然もののマグロ中トロとカツオの中間のような味わいかも。
でも本マグロの中トロとも南マグロの中トロとも全然違う、スマ特有の中トロ感だなー。うーん、表現難しい。とりあえず美味しいや!!
繰り返すけどこの魚は間違いなく高級魚。マグロカツオ系の中では一番好きかも。
生姜も山葵も好相性
マグロには山葵が良く合うってことはスマにも山葵が合うんじゃない?と思って山葵と合わせて食べてみる。
と、、うん、スマがしっかり脂を持ってる赤身だから良く合う。でも山葵だと後味の鉄っぽい血っぽいカツオの感じは特に消えないな。
この香りに合わせるなら生姜かな?と思っておろし生姜も試してみると、これも予想通り、綺麗に鉄っぽい香りと生姜の香りがマッチして食べてて爽やかな美味しさになった。
ということで、山葵は問題なくスマに合うし、カツオっぽい味わいを薬味で昇華したいときは生姜を合わせても良さそう。
スマのたたき:やばい
カツオっぽい感じあるし、たたき美味しいんじゃない?
ということで次は背側のサクをたたき!本来は焼き上げた後に塩でぽんぽんと叩くんだけど今回は焼いて冷やすだけの疑似たたき。
氷水に入れると浮き出た脂が離れていっちゃうので冷凍庫で急冷する。
背側は血合いを取り除いてみたものの、ちょっと血があるのね。どれ、一口・・・
うおお、うまっ!!
口に入れた瞬間に脂の芳醇な美味しさがぐわーってくる感じ。
そして食べ進めるとサシの入った身の適度に柔らかい食感と脂の贅沢な味わいに炙った香ばしさがくる。で、しっかり赤身(カツオ)特有の香りも主張してくるのが面白い。
うーん、これはやっぱり高級魚!!w
生で食べた時との一番の違いは最初からスマの脂の美味しさがドンってくるところかも。
皮目を焼いたことで脂が出てきて、よりこの魚のリッチさが分かやすくなってるのねー。クロムツは炙ると脂が出すぎてくどくなるんだけど、スマはくどいというところまではいかないな。
スマの握り寿司:もはやカツオ感は全くない別の赤身魚
続いて握り寿司!身はしっとり柔らかで脂のりも最高なので酢飯と合わないわけがない!!
今度は刺身の時と変わって血合いを完全に取り除いたうえで握ってみた。
おお~、赤身と中トロ両方の美味しい感じがあってこれは中々美味いじゃないすか!!
しっかりした赤身の感じも残しつつ柔らかく適度に脂の入った柔らかい中トロもあり、なにより酢飯と良く絡む。カツオ感はもはやほとんど無いな。
血合いを取り除いたからか、香りがとても上品。カツオのようなマグロのような不思議な感覚。
カツオでもなくマグロでもなくスマか。スマってこんな味わいなんですね。
スマの漬け握り:身に少しねっとり具合もでてきてまた美味い
少しだけたたきにしたあと数時間漬けにしたものも用意してみた。
せっかくなのでお寿司にしてみたら、身が少し締まってよりしっかりした食感になってて、さらにねっとりとシャリと絡んで美味しい。
生のまま寿司にするのもいいけど、スマは漬けにしてもネタとして最高に美味しいみたい。
スマのお味噌汁:上品&濃い出汁に脂の旨味が加わって充実
スマの頭部とカマを使って味噌汁を作ってみる。軽く熱湯にくぐらせてゴミを洗い流して、昆布出汁に入れてしっかり煮だす。
あ~、なんだかほっこりする美味しさ。
スマの出汁がしっかり出てて脂もあって芯のある美味しさになってる。でも臭みは無い。不思議と上品な雰囲気のある味噌汁になった。
身はしっかりした食感だな。締まっててちゃんとカツオ食べてる感じ。でも締まりすぎってことも無く食べやすいし、身にもまだ味がしっかり残ってる。
出汁は出るし、味噌汁の具としても旨いし、脂もあるので少しリッチで奥深い味になるしで美味しいよスマ・・・
スマの胃袋と真子の甘辛煮付け:素材に味がしっかりあって美味しい
せっかくの高級魚なので胃袋も大事に使おうかな!と思ってたら結構立派な真子も取れたんですよ。
胃袋は良く洗って真子と一緒に濃いめの煮付けにしてみる。
カツオ系はどうしても血が多いから煮付けとかにすると多少鉄分っぽい味がでるのはしょうがないよな・・と思ってたんですが!!
変な臭いも無いし、ちゃんと美味しいんですよ、これ!!
たまに何にも味がしない真子とかあるんだけどスマはさすがにカツオ系なだけあって真子にも味があって美味しく食べられる。
これはご飯やお酒が進むねー!!
・・・しかしこれだけ真子が大きくなってるのに相当な脂ののりだよなー。旬は秋から冬だから、秋口にはさらに脂がのってくるってことなのか。。すげーなスマ。
スマガツオって結局どんな味わいなの?
生で食べれば上品な、焼けばカツオ特有の風味を味わえる
6種類、色々な食べ方でスマを堪能して感じたスマの特徴は↓こんな感じ。
- とっても脂がのってる。でもくどくなくて美味しい。
- カツオのような血っぽい(鉄っぽい)香りは非常に弱く上品。美味しい。
- 食感はややねっとり系だけどマグロの中トロよりはしっかりしてる。美味しい。
- 旨味たっぷり。骨太な出汁がでるし加熱した身にも味が詰まってる。とても美味しい。
そう、とっても美味しい魚でした!!
生が特に美味しかったのでほとんど生で食べちゃったけど、味噌汁の具として食べた身も非常に美味しかった。
スマって赤身の中では最高峰の美味しさなんじゃないかな。すげーよスマ。マジで。
あと、スマはどんな香りで味わいたいか炙るかどうか決めても良いのかもしれない。
血合いを取り除けば血や鉄分系の風味はほとんど無くなるし、たたきなどで焼いたりするとカツオを焼いた時と似た特有の香ばしい香りが出てまた美味しさが変化する。
うーん、また食べたいなー。
スマガツオを入手する方法
で、スマがめっちゃおいしいということは分かったんだけどなかなか目にする機会が無いこの魚、どうやったら入手できるのか。
まず、スマは天然ものと養殖ものが流通していて、天然ものも養殖ものも通販で取り寄せるのが一番現実的。
天然ものは流通量が少なくて結構運次第なところがあるので、常に目を光らせておかないと手に入りにくい。で、養殖ものの通販なら確実に入手可能です。
天然ものは鮮魚セットか個別取り寄せ
鮮度の良いスマを漁師さんから直送してもらえるサイトはこちらの2つ。
狙い目は初夏と冬かも
漁師さん直送市場なら鮮魚セットに入れてもらえると嬉しいくらいの希望を出すと運が良ければスマが入ってくる。
そしてスマは初夏と冬に2つの漁師さんが水揚げをしてるっぽい。
1つは6月~7月の九石大敷。高知県須崎市の漁業組合で、今回食べたスマはここから取り寄せたもの。毎週入ってくるわけではないようなのでちょっとしたギャンブル性あり。
もう1つは1月~3月の豊漁丸。宮崎県の串間市で主に真冬の時期に漁獲されているみたい。特に1月~2月に集中して獲れているようなので、より確実に天然スマを食べてみたいなら豊漁丸が良いかも。
ちなみにスマの旬は秋口から春にかけてと言われているが、夏の産卵直後以外はあまり味が落ちないという情報もある。今回食べた夏のスマも大変美味しかったので、食べたいときに食べる、で良いと思う。
個別取り寄せの場合は入荷した時のお知らせを受け取ることもできる
のん気な魚屋の場合はスマが入荷した時にメールで知らせてくれる設定をすることができる。鳥取で7月~10月にかけて水揚げがあるようなので、このサービスを利用するのも一手。
ただ、スマ一尾を通販で取り寄せるとなると結構送料の割高感があるのが気になるところ…。
養殖ものなら愛媛のブランドスマ「媛スマ」が超絶気になる
スマは愛媛ではブランド養殖魚として売り出されている。
全身がさっぱりした脂のりの中トロといった仕上がりになっているそうで、結構気になってる存在。多分、カツオっぽい風味がさらに緩和されてすごく上品になってるんだろうな・・と予想してる。
地元ではたまにスーパーで売られたりしてたり、チェーン店のお寿司屋さんもたまーに期間限定で取り扱っているので運が良ければ出会えるかもしれない。
ふるさと納税や通販サイトでのお取り寄せもできるので、天然ものが手に入りにくい時期にスマを食べてみたい!!となったら愛媛の公式サイトとか愛媛の自治体のふるさと納税がオススメ。
愛南漁協の公式サイトはこちらで、ふるさと納税なら↓このあたりが良いかと。
ちなみに養殖ブランド魚は丁寧に締められて梱包されてくるので結構扱いやすいのも特長なので、天然ものはちょっと気後れする・・・という場合にも実は結構オススメっす。
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