自宅で試せる釣った魚の簡単な熟成方法【手軽に挑戦!】

お魚レシピ
カサゴ。寝かせた方が美味しくなる魚の代表格

魚を「熟成」させて食べてみよう

なんで熟成させるの?

そりゃあ釣ってきた魚は美味しく食べたいから!!

そもそも、、、魚は鮮度が良いほど美味しいと言われますが、本当に鮮度が良すぎると、旨味や風味はまだ弱いことが多いです。

代わりに非常に弾力のある食感が楽しめますが、魚によってはそれだけだと勿体ないとか、逆に釣った当日では身が固すぎて食えたもんじゃないというケースもあるのです。

手軽に熟成させる方法はあるの?

ということで、刺身、干す、焼く、煮る、蒸す、揚げるといった調理に入る前に魚自体のポテンシャルをあげるために、うちでは「数日間寝かせる」という手法を実践しています。

世の中にはプロしかやらないんじゃないかと思われそうなマニアックな熟成方法もありますが、ここでは、もっと手軽な方法で、 趣味でやってる僕ができているレベルで紹介します

コストもそんなにかからないはず。キッチンペーパーだけはガンガン使うので安いのを用意すると良いです。

ここで紹介する熟成は、釣った日を0日目とした場合、長くて5日くらいまでが目安。短期の熟成です。10日など中長期的な熟成には向かないのでそのあたりはご了承ください。

ぜひ、試してみてください。

寝かせる際の包み方一覧

熟成させるための準備4ステップ~持ち帰ったら魚を丁寧に処理~

準備1.ウロコとワタを取り除く

釣ってきた魚をクーラーボックスから出したら

  1. 真水で軽く洗い流す
  2. ウロコを取って洗い流す
  3. エラと内臓を取り除いて洗い流す
  4. 内臓取った後の背骨近くについている血合いを洗い流す。

特に4点目が重要。背骨周りの血は特に綺麗に流してください。骨抜きの反対側や指を使って流水で流しながらこそげとるイメージです。

ここに血が残っていると生臭さの原因になるので徹底的に。

準備2.水気をふき取る

お腹の中も丁寧に、水気をしっかり拭き取りましょう。

ここで水気が残っているとものすごく傷みやすくなります。

水気は敵です。

準備3.キッチンペーパーでくるむ

寝かせている間も水分が魚から少しずつ出続けます。

水気は雑菌の温床になるのでキッチンペーパーで魚全体を包みます。

お腹の中もキッチンペーパーを円筒状にくるくるまるめて入れておきましょう。口が大きな魚なら、お腹から口にキッチンペーパーが出るよう感じになるかもしれません。

すっぽりと。尾の部分も忘れずに
お腹周りにもきっちり入れること
こんな感じで追加で1枚ペーパーを入れても良い

準備4.ラップでくるんで冷蔵庫へ

さらにラップでしっかりとくるんだら冷蔵庫へ。

僕は氷温の真空コーナーに置いています。

後はこのまま寝かせるだけ。

45cmほどのメダイ+キッチンペーパー+ラップ

熟成に入ったら基本は匂いで判断。自分の好きな具合を見つける。

熟成中はキッチンペーパーを変える

1日1回、キッチンペーパーはすべて変えましょう。

魚からけっこう水気が出てきます。それを取り除かないと雑菌が繁殖して傷んでしまうので忘れずに。

特に初回は水気が多い。一晩おいて濡れていればすぐに変えておこう。

大型の魚の場合は表裏を返しながら

小さな魚の場合はそれほど気にしなくてもよさそうですが、例えば魚体40cm近くなってくると魚自身の重みもそれなりになります。

自重で片側だけ早く傷みやすくなるなど偏りが出てしまうので、キッチンペーパーを変えるときに上下を入れ替えて、重さのかかる具合をバランスよくしましょう。

温度変化を小さくする

極力、魚に触らない&冷蔵庫開けない。

冷蔵庫の中に入れている食べ物全般に言えることですが、特に夏場は注意。

温度変化が大きいと魚に与えるストレスも大きくなりやっぱり傷みやすくなりますのでご注意。

匂いを確認して問題ない範囲が熟成の基本

最低1日1回、匂いが変化していないか確認しましょう。

食べずに魚の状態を判断する指標として一番わかりやすいのが匂いです。

寝かし始めて1日目の場合、どの魚であってもほとんど匂いがしないか、しても嫌な匂いはまったくありませんが、数日たつと分かりやすく魚っぽい匂い、、、表現難しいですがスーパーで売ってるそんなに鮮度良くない鯵のような匂いがしてくるタイミングがあります。

熟成はそこまでにして、さっさと食べましょう。

僕の場合は、ほんの少しでもその匂いを感じたら刺身ならその日のうち、加熱するなら翌日くらいには全て消費する感覚です。

食べごろの判断は…?

どれくらい旨味が増えているか、身が落ち着いているかは実際に食べてみないと分かりません。

匂いで判断できるのは安全かどうか。

美味しいかどうか、、というところは実際に食べてみて判断していくしかないようです。魚種、大きさで大体どれくらいが良い具合かが決まっているので、経験を積んで魚によって適切なタイミングを予測していきましょう。

そもそも熟成できない魚ってあるの?

ここまで、釣った魚を手軽(?)に寝かせる方法をまとめていますが、そもそも釣りあげた後にその場でやっておくことや、中には寝かせてはいけない魚もあるということも書いておきます。

以下のような点に注意して、寝かせる魚と当日食べきる魚を見分けてください。

釣った後、この2点は忘れずに

血抜き

ここで紹介している方法は血抜きされていることを前提にしています。雑菌は血が付着している箇所で良く繁殖し、匂いもここから出ることが多いです。

ということで、釣れたらまず血抜きをしましょう。

釣った後に血抜きしていない魚の場合はここの寝かし方で1週間ももつことはありません。

鮮度保持

血抜きが終わったらクーラー海水氷で冷やすのが鉄則。海水氷に直接入れるのではなくビニール袋で直接水分に触れないようにしてから入れると尚良いらしいです。(やったことないけど)

釣った魚でも途中で氷が解けて既に怪しい雰囲気をまとっている場合は寝かせるのは避けてさっさと食べるのが吉。

以前最強に船酔いした際に釣ったキンメで寝かせてみたことがありますが、酔いが酷くて中々クーラーボックスへ入れられなかったので…まあ残念な仕上がりでした・・・

一度傷みが始まった状態は元には戻らないので、食べられるうちに食べるのが無難です。

魚体は大きい方が熟成させやすい

これは経験からですが、小鯵やキスの様な小さな魚は熟成にあまり向いていないようです

1日や2日寝かせて刺身は十分可能ですが、5日寝かせるといったことはできませんでした。おそらく津本式の熟成であれば可能なのだろうけども、、、

逆に大型の魚体であればあるほど、長期間の熟成で美味しくなるようです。

ヒスチジン多めの魚は熟成を避けよう

ヒスチジンって、、、?その後ヒスタミンになる成分のことです。食中毒の元です。基本的に刺身は当日食べきるもので寝かせるなんて考えません。また、ヒスタミンになると加熱しても消えないので釣れてから持って帰る際の鮮度保持も最大限の注意を払います

最大限の注意…さっさと血抜きしてギンギンに冷えた海水氷のクーラーBOXで冷やし続ける

以下の魚はおそらく海釣りする人なら8割がた「鮮度が良くないとやばい」と認識している魚です。こいつらは少なくともヒスチジン多めなので要注意。そして釣って絶命した瞬間から生き腐れ(ヒスチジン→ヒスタミン)が始まる。はず。

  • マサバ
  • ゴマサバ
  • マルソーダガツオ

当日食べきらない分は塩をするか、切り身にして真空パック&冷凍して保存しています。

理由はわかりませんが、塩しておくと冷蔵庫1週間でも持つようです。

以前釣れたサバを大量にもらってしまい処理に困っていたところ「塩サバにすれば良いよ」と船長から教えてもらいました。

2枚おろしにした後、塩焼きにするくらいの塩をして網に乗せ、冷蔵庫で放っておくだけとのこと…。試したところ、1週間たっても焼いて美味しく食べられました。生臭さもゼロ、食中毒もゼロ。

塩をすることで何かがどうにかなるので安全に食べられるようです(笑)

理由は分からないけど経験豊富な船長直伝の方法だから大丈夫だと信じたい。

まとめ

寝かせるには、釣ったときの活き締めの処理や、持ち帰る際の鮮度保持ができていることが前提になるので、スーパーで購入した魚では自分で熟成させた刺身の美味しさを味わうことはできません。

これぞ釣り人の特権といった美味しさを堪能すべく、ぜひチャレンジしてください!!

匂いで判断しながら1日ずつ食べ比べしてみると、魚それぞれの美味しさのピークが分かります。魚の種類ごとに一番自分が好きな頃合いを見つけていくのも楽しいですよ!

※ただし腐敗には気を付けて!!自己責任でお願いしますm(_ _)m

おまけ:キッチンペーパーはグレードアップ可能

ちなみに魚屋さんで魚を購入すると、緑色の紙に包んで渡してくれることがあると思います。

あれ、実は高性能の吸湿紙で魚を熟成させるのに最適な紙です。キッチンペーパーと違って何度も包みなおす必要が無いというのがすごく強いメリット。

それだけ魚を温度変化にさらさずに済むので熟成の安定性が非常に高まります

手軽に熟成のレベルを上げられるので、僕は最近はこの「緑の紙」を使うようになりました。

Amazonでは50枚入りと500枚入りで販売されていますが500枚の方がオススメ。量が10倍になるのに価格は2倍もいかないという圧倒的なコスパの良さを誇ってます(笑)

知り合いと折半で購入してみるなどが良いかと思います。

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