釣ったサバを刺身で食べるための持ち帰り方と臭みを出さない保存方法

脂ののったサバの刺身は至高捌き方と下処理
脂ののったサバの刺身は至高

釣ったサバは持ち帰り方と帰宅後の処理が大切

釣ったサバ、刺身で食べてみたくないですか?

というのはアニサキスのリスクもあるので個人の判断に任せるとして、今回はサバを可能な限り高鮮度で持ち帰る方法と、鮮度を保つ保存方法の紹介。

マサバやゴマサバって船釣りをしていると外道で結構かかることがある厄介者。だけど食べると味は濃厚だし栄養価も高い。

そんなサバ。釣ったサバなら鮮度抜群だし何も問題ないだろう、、と思ってサバに当たった人や臭いが気になるといった人が結構いるんじゃないかなと思う。

僕は何回か自宅で食べようとしてなんだか生臭さを感じることがあった。サバはもともと臭いの出やすい青魚なんだけど、それにしてもちょっとこれだとサバを食べる気持ちにあまりならないなぁ、、という臭いを出してしまったことが何回か。

ということで今回は、サバを可能な限り高鮮度を保ったまま食べるための方法を2つの観点から紹介したい。

  1. 釣った後の持ち帰り方
  2. そして持ち帰ってからの扱い方

何度も僕が失敗しながら辿り着いたこの方法で、最終的に生臭い臭いは一切感じない状態で美味しくサバを食べられるようになった。

自分で釣ってきたサバがどうにも臭い。家族に不評、と言う方は参考にしてほしい。

この記事はこんな方向け

  • 釣ったサバ、どうしても臭いが気になる
  • 自分は気にならないんだけど家族が臭いと言う
  • 以前釣ったサバでじんましんのような感じの食あたりを経験した
  • サバを刺身で食べてみたい
  • サバのヒスタミンによる食あたりになりたくない

サバが釣れた後の持ち帰りで重要なポイント

まずサバが釣れてから自宅に持ち帰るまでには3つ、外してはいけないポイントがある。特に刺身で食べる鮮度を目指すなら必ず実施しておきたい処理。

1.釣れたら即締める

まずサバが釣れたら即活け締めを行う。マジで、本当に、すぐさま締めよう。

取り込んだ後、船上でばたばたさせるとそれだけで身が傷むので、理想を言うなら床に落とさず手でキャッチしてそのまま活け締めをする。

↓こんな感じで数尾釣れたら大きい方を手で持ち即締める。そのあと下に落ちたサバを締めると良い。

サバが釣れた~
サバが釣れた~

締め方は大きく2種類

肝心の締め方は大きく2種類。サバ折りと脳天締めだ。サバ折りは手軽で早く締められるし、脳天締めは少し手間がかかるけど見た目がきれいなまま保てるのとサバ折りで折る部分の身の傷みが起きないのがメリット。

それぞれシーンと好みで使い分けると良いと思う。

サバ折り

サバのえらに、右手で頭側から、左手で胴体側から掴んで持ち、背側にグイっと頭を折る。

背骨を折ると同時に血管も切れるため、神経締めと血抜きの効果が期待できる。背側に折ったらそのまま海水につければ同時に血も抜ける。サバ折りのデメリットは折った背骨付近の身が傷むこと。これを気にする場合はもう一つの締め方が良い。

サバ折りしたゴマサバ
サバ折りしたゴマサバ
ピックを使った脳天締め

プラスドライバーやアイスピックを使い、眉間から脳天に刺してぐりぐり。これでサバが脳天締めできればOK。そのままエラを切って血抜きに移行すれば良い。

この方法の良いところは姿が綺麗な状態で保存できることとサバ折りのような一部分の身の傷みが起きないこと。そして血抜き後に神経抜きのワイヤーを通せるので確実な神経締めを行うことができる。

サバが単発で釣れて丁寧に処理できる場合はこちらの締め方がオススメ。

2.血抜きは極力短時間

サバ折りや脳天締めしてエラを切ったら海水の入ったバケツなどに入れて血抜きをする。

この時、血抜きの時間は2分を限度として行う。できれば1分。

なぜ血抜きの時間を1~2分までとしているかというと、サバを極力早く冷やすため。

例えば夏が旬のゴマサバを8月に釣り上げたとすると、海水温は28℃付近まで上がっていることもある。高温の状態にサバを置いておくとすごい勢いで傷んでいくので、特に夏場は時間を気にして血抜きをすることが必要。ちなみに傷むとアニサキスが身への移動を開始する。常温で身を傷めることはアニサキスリスク増大も意味する。

バケツに入れてサバの頭を持ってふりふりしたり尻尾をもって身を揺らしたりして血をどんどん出し切ってしまおう。血が多い青魚のサバでも1分ほど海水の中で振っていれば、釣り場で抜ける血はほとんど抜けきって海水が濁らなくなる。

水が濁らなくなったら海水氷のクーラーボックスに入れればOK。

ただし、サバの血抜きにそんなに手間かけていられないという場合はえらを切ってバケツにとりあえず入れておいて、1,2分経ったらクーラーボックス、でも良いと思う。

血抜きを丁寧に行うことは大事だけど、特に夏場では、血抜きより早く冷やすことの方が「傷みを防ぐ」「アニサキスの移動リスクを減らす」という観点で重要だと覚えておくとたとえ水が濁って血が抜けきらなくても0℃付近まで冷やされていれば大丈夫。

3.血抜き後即海水氷へ

血抜きが出来たらサバをすぐにクーラーボックスへ入れる。

クーラーボックスには前もって海水と氷を入れて思いっきり冷やしておくこと。

海水氷でなければならない理由は2つ。

  1. 氷だけだと魚への接触面が限られるため冷えにくいし局所的に傷んだりして良いこと無し。
  2. 真水を入れると海水と浸透圧が違うので魚がぶよぶよになって食べられるレベルじゃなくなる。

ということで、特別な事情が無いなら海水氷にしておこう。

前もって作っておくのは、サバが釣れてから海水氷を作っているとそれだけ冷却までの間に傷むリスクが大きくなるから。釣りあげたらできるだけ早く冷やしたいので事前準備はしっかりと。

クーラーボックスに直接魚を入れると臭いが移って嫌だ・・という場合は魚を0.1mmくらいの厚手のビニール袋に入れてからクーラーボックスに入れればOK。この厚さであれば魚の棘にもある程度耐えられる(ことが多い)。

鮮度は抜群
ビニール袋に入れるとこんな感じ。クーラーBOXに魚の臭いが移らない

僕が使っているのは↓これ。

帰宅後のサバの扱いで重要なポイント

1.常温で放置せず処理は極力短時間で当日中に行う

自宅に帰ってクーラーボックスに入っている状態では0℃の温度。つまり腐敗の進行は遅い状態だ。

そこからサバを取り出してうろこや内臓を取る段階に入ると、これは常温での処理になる。

常温時の処理が遅くなればなるほどアニサキスの身への移動やヒスタミン増加などリスクは上がっていくので、クーラーボックスから出した後はすぐに処理しきろう。

2.刺身で食べるなら氷温冷蔵、他は冷凍か塩をする

で、処理とはどこまでを指すのか。

すぐに食べない場合は切り身にしてラップして冷凍保存。

塩サバにする場合は2枚おろしにして塩をして網に置き、冷蔵庫に入れておけばそのまま3日ほどは大丈夫。ただし塩は少し強めにしよう。中途半端だと臭いが出ることがある。

刺身で食べたい場合はうろこと内臓を丁寧に取り水気をとって氷温の冷蔵室へ。ただし、遅くとも翌日までに食べるのが良い。

船上で締めてから24時間以内にお口の中に入れば美味しく食べられる。36時間を超えてくると身が柔らかくなり身割れして食べづらくなることが多い。

できる人は津本式の脱血と保存

津本式の脱血とその後の亜真空パックをできる場合、刺身用でも保存期間が4日~5日ほどまで延ばすことができる。

丁寧な処理をできる前提での4~5日と言う話なのでどこかを適当にするとすぐに腐ると思っておこう。サバを相手にするときは油断は禁物。

亜真空でパックしたら、そのまま冷蔵庫ではなく氷温冷蔵で、0℃付近を維持し続けること。

3.ピチットシートも有効活用!

一夜干しにする場合に使うことが多い印象のあるピチットシートだけど刺身用としても使える。魚を丸の状態でピチットシートで包み、数時間置いておくだけで適度に脱水され、臭いも吸収される。

一夜干しにする場合に使うことが多い印象のあるピチットシートだけど刺身用としても使える。魚を丸の状態でピチットシートで包み、数時間置いておくだけで適度に脱水され、臭いも吸収される。

臭いの出やすいサバに対してかなり有用なツールだ。

塩サバにするとき塩を遠慮しすぎて少し臭いが出たという場合でも、追加で軽く塩をしたうえでピチットシートで20時間ほど包んでおくと臭いがきれいに取れることがある。

多少の場合であればリカバリできるのがピチットシートの強みなので積極的に使うのがオススメ。

まとめ

常温の処理時間を極力小さくして食べよう!

サバを扱うときに気を付けるのは、船上での扱いと持ち帰ってからの扱いの2つのシーンがある。

船上で釣れた後の扱いで大事なのは3つ。

  1. 即活け締めして
  2. 1分くらいで血抜きを完了し
  3. 海水氷に漬け込み芯まで冷やす

そして持ち帰ってからの扱いで大事なのも3つ。

  1. 常温は極力避け、当日中に処理実施
  2. 刺身は氷温冷蔵で。すぐ食べないなら冷凍or塩
  3. 臭いが出そうならピチットシートを利用

そしてアニサキスは常温の時に身へ移動していく。どんな時も極力常温の時間を小さくするように処理してアニサキスのリスクを小さくしよう。

例外的に津本式の処置と保存を施せるなら刺身用としても数日置けるが、基本的に刺身は釣ってから24時間以内に食べるのが吉。

そして塩をした後臭いがきになるようであればピチットシート活用の検討もアリ。

迅速な処理をしてサバを思いっきり美味しく食べよう!

これだけ脂が乗ってるならぜひ刺身でいきたい
これだけ脂が乗ってるサバ、刺身でいくしかないでしょ!

番外編①:東京湾・相模湾で脂ののったサバを釣るなら伊東沖がオススメ

ところで、僕がメインフィールドにしている東京湾・相模湾の船釣りでも大きなサバが釣れることはしょっちゅうある。

時期が悪いとか色々条件があるんだろうけど、少しでも美味しいサバを手に入れられる釣りをリストアップしておく。

大きめのサバを釣るなら根魚五目系

まずは実際にサバを釣ったことがある釣り物がこちら。

根魚五目では大型のサバがよく掛かってくるので食べ応えを狙うなら中深場の根魚五目系がねらい目。メダイ五目もサバは一般的な外道で釣れることが多いらしい。

  • アジ五目
  • ライトウィリー五目
  • 剣先沖イサキ
  • 伊東(初島沖)カイワリ
  • LT根魚五目
  • LTじゃない根魚五目
  • ヤリイカ
  • 夜クロムツ

割と何でも釣れるのがサバで、さすが外道の代表格と言ったところ。良く深海サバは美味しいと聞くけどほかの釣りで混じるサバとそんなに大差ないと思う。

脂ののったサバを釣るなら伊東沖の半夜クロムツが実績あり

で、上の中から実際に「こいつは確かに脂がのってて美味い!!」となったのは伊東沖夜クロムツの外道として釣れたゴマサバ。

9月上旬に伊東沖の半夜船でクロムツを狙ったときに外道として釣れたサバで、小さいものは船上で切り身にして使ったんだけど脂ののりが強くて手が滑る感覚があった。

持ち帰ったサバも皮を引いてみたらがっつり脂の層があってめっちゃ美味しかったなぁ・・・

番外編②:もっと手軽にサバを刺身で食べたい方へ

さて、ここまでで釣ってきたサバを美味しく食べるための持ち帰り方と保存方法をまとめてきたが、正直な話結構気をつかって処理しなければならず、とっつきにくさがあると思う。

そこで、これだけの手間をかけずに美味しいサバの刺身を食べてみたい方に朗報。

通販でも刺身用の超新鮮なサバを入手できるようになったんですよ!!

最近はサバの養殖事業が活発になってきていて、各地方で以前から、サバを刺身用に変えたりしないかなーって思ってたんだけど遂に!!ようやく、長崎の平戸から良いサバが出回るようになった。

養殖なので脂ののりは抜群に良いだろうし、餌に柑橘がはいっているので養殖特有の脂臭さも解消。マサバは通常11月ごろからが旬になるが、養殖であれば季節によって味が落ちにくいという利点もある。

夏も美味しいゴマサバも入手可能!

天然ものでも刺身用として超鮮度にこだわった土佐のブランド、清水サバ!!一回試したことあるけど釣り物と遜色ない品質のゴマサバでとても良いです!

あ、養殖と言えば「むじょかさば」は実際に取り寄せて食べたところ脂のってて大変美味しゅうございました。↓こちらの記事の通り、自信をもってオススメ(?)できるサバでございます。

釣った天然もののサバも良いけど、最近アツい養殖もののサバ。一度試してみるのも面白い

コメント