何日寝かせると美味しく食べられるのか検証してみた
大きなカサゴが沢山釣れた伊東沖、八十吉丸でのカサゴ・アカハタ釣り。釣果も大満足の結果で久しぶりに食べ応えのあるカサゴを手に入れたので、津本式の脱血処理をしてカサゴはどれくらい寝かせるとどんなふうに味わいが変わるのか検証してみることにした。
カサゴって釣った翌日に刺身で食べてもあんまり味を感じないし鮮度良すぎると身が硬いんだよね。だからもともと数日寝かせて食べるべき魚とっていうイメージが超強い。
ただ、一方で今までは大きいカサゴを釣っても1匹いるかいないかというところだったので「じゃあ何日寝かせると一番美味しいの?」とか「どこまで保存きくものなの?」といった、一番知りたいところをチキンレースしてまで確かめる勇気は持てなかった。
でも今回は!!同じタイミングで締めた大型のカサゴが数匹準備できた!!
ということでやってやろうじゃないかチキンレース!という心持ちで10日目まで寝かせてカサゴの味わいが結構変わるのかどうか、それともあまり変わらないのかといったところを食べ比べて確かめてみることにした。
この記事はこんな方向け
今回の記事はまさしく↓こんな疑問を持っている場合に有効な内容。
- カサゴって何日目まで刺身で食べられるの?
- カサゴは寝かせると味わいが変わるの?
前提 すべて脳天締め→脱血→神経締めからの津本式処理を実施済み
前提として、今回使ったカサゴは購入してきたものではなく、自分で釣って処理してきたもの。釣った直後に即締めて帰宅後に脱血処理し、その後真空氷温で寝かせる結構贅沢な処置を施されているカサゴだ。
なので、スーパーでたまに見かける、氷締めされただけで血抜きされていないようなカサゴでは同じような熟成はできないと思っている。(多分早い段階で臭くなって食べられなくなる)
今回の記事で「よし、10日寝かせてみるか!」と思ってもそくスーパーで買ってきて試したりしないように注意してほしい。お腹壊しても責任取れないので自己の判断で試してくださいませ。
0日目~3日目:まだ味が出きっていないけど加熱すると風味豊か
釣ってきた初日や翌日だと、カサゴの刺身は身が硬く食べづらいことが多い。ついでに味も非常に感じにくい。食べるなら甘めの醤油をつけると歯ごたえと鮮度の良さを楽しめる。
が、初日でもカサゴの皮目の風味は非常に良いってことが今回分かった。
実際に釣ってから6時間後に煮付けにして食べてみたところ、カサゴの良い香りと皮目の旨味がしっかり出てきてかなり美味しく食べられる。
加熱して身が締まることも無く美味しい煮付けになったので、カサゴを締めてからあまり時間がたっていないときは煮付けや塩焼きなど加熱する食べ方がよさげ。
4日目:お刺身は身質しっかりめの旨味もしっかりめ
続いて4日寝かせて食べることにした。普通の刺身と、もう一つは湯霜造りにしたもの。
まずお刺身を食べてみると、、これは美味しいね!!
結構旨味が強く出てきて、身の歯ごたえはしっかりあるけど、寝かせたことで丁度良いバランスに仕上がっている。
続いて湯霜造りも食べてみると、、やばいくらい美味しい!?
湯引きした皮が硬すぎること無く適度に食感を高めていて、一噛みするごとにゼラチン質のような旨味と皮目の風味が加算された美味しさが感じられる。湯引きして氷で締めたことであっさり上品な風味になっているのも爽やかで良い。
湯霜にしても皮を引いて食べてもうまい。鮮度の良い美味しさとカサゴの味わいを両方楽しむならこれくらいの日数が良いかもしれない。
7日目:身がややしっとりして落ち着いた美味しさに変わる
7日目、おそらくさらに身がしっとりしてきて旨味も乗ってくるだろうから酢飯との相性が良くなるのではないかと思い、刺身と握り寿司で食べてみることにした。
皮を引いた身はほんのり淡いピンク色で既に美味しそう。変な香りもしないし、旨味が出きっていない可能性はあっても劣化は間違いなくしていない。これは期待できそうだ!!
まずは何もつけずに刺身を食べてみたら・・・身の柔らかさは4日目からややしっとり度が進んでるのが分かる。
旨味は・・あれ?意外と4日目との差がない気が・・・?
試しに醤油をつけてみると、、?お、来た。
強い旨味と言う感じではないけど上品な白身の持つ旨味がしっかり主張している。握り寿司のほうは普通に美味しい白身のお寿司と言う感じになった。
今度はわさびも付けてみると、、?お!?途端に美味しさが増した!
あれー、これなんだろう?わさびの清涼感のある香りとカサゴの旨味が良くあってる!
醤油にわさびをつけるとグレードアップした美味しさに変化するのか。
わさび。不思議だ。
10日目:熟成した旨味と香りが出てくる
さて、最後は10日寝かせた27cm大型のカサゴ!
昆布締めと大ぶりに切った刺身で食べてみることにした。
まずは一口・・・おぉ、良い味出てきてるじゃん!
10日寝かせても臭みは一切なし。醤油をつけて食べるとカサゴの寝かせた旨味が主張してきて、4日目のものとはやっぱり違う味わい。
風味も4日目や7日目とはちょっと違う。どう違うかと聞かれると表現が難しいんだけど、新鮮で美味しい魚!という風味が4日目。寝かせた魚、という風味が10日目。寝かせた魚ならではの風味に変わっている。どちらが美味しいかと言うともう好みの問題かも。どっちも美味しいし!
食感は7日目からあまり変わってない気がする。硬すぎることはないけど柔らかすぎるレベルには全くなっていない。カサゴはもともと身が硬い魚なイメージはある。食感はそこまで変化しにくいってことか。ちなみに真鯛で10日寝かせた刺身も食べてみたけど真鯛は超柔らかくなってて軽く身割れするほどだった。
カサゴは捌いてるときも全く身割れする気配無かったし、熟成向きの魚だな!
7日目のお寿司でわさびをつけたらさらに美味しくなったので今回も試してみるとやっぱり美味しさが増した。なんなんだろう?カサゴは本当に、やたらわさびと相性が良いな。
真昆布でかるい昆布締めにした方も・・・うん、これは間違いなく昆布締めの美味しさ。昆布の旨味が身にしっかり溶け込んでいるねー!ただ、カサゴを昆布締めにすると昆布の風味がちょっと勝っちゃって何の魚か分からなくなりそうな気もする。
これはこれでアリだと思うし美味しいんだけど、カサゴの味を味わいたいなら塩締めとかに変えた方がより凝縮されたカサゴを楽しめるかも?
ついでに10日目はカサゴのアラで味噌汁でも食べてみた。
味噌汁、うまい。
やっぱり臭みは一切なく、濃厚な美味しい出汁が出てて、これがかなりうまい。身にもしっかり味があるし、これは10日寝かせたからこそ出てきた味かも。
まとめ
今回は初日の煮付けから始めて4日目、7日目、10日目と刺身+αの食べ方で比較してみた。かるくまとめるとこんな感じ。
- 0日目~3日目:
- 煮付けなど加熱調理は皮目の風味が良く出て美味しく頂ける。刺身は硬くて味が出にくいので甘目の醤油が良さげ
- 4日目:
- 鮮度の良い美味しさと旨味が出てきたところのバランスが取れていて美味しい
- 7日目:
- 食感がややしっとりしてきて食べやすさは増す。旨味も増えたが味を少しつけないと分かりにくかった
- 10日目:
- 味がしっかり出てきたのが分かる。4日目とは異なる風味でこの段階になると好みの問題な気もする
カサゴの保存期間を考えると、10日目に食べた感じだとまだ数日は刺身で食べられる余力を十分に感じたし臭みは一切出ていなかった。なので少なくとも10日目までは間違いなく美味しく食べられる。大型のカサゴであれば14日目くらいまではちゃんと保存がきくかもしれない。
どれくらいの熟成期間が一番美味しいか、というとちょっと難しい。
4日目は新鮮な感じとしっかりした旨味の組み合わせが非常に良く、好きな人は多いと思う。10日目も味がスカスカになるなんてことは無くむしろ熟成させた風味が軽く感じられて重厚な味わいに変わってくる。これが好きな人も多いと思った。
個人の好みで決めるしかないかなー。後はどれだけ寝かせる期間を我慢できるかどうか。個人的には4日寝かせたら食べちゃっても後悔しないな、と思った。4日目でも旨味はちゃんと出てきているので美味しく食べられることは間違いないので。
ただ、10日寝かせたカサゴの味噌汁は、うまい。
ちょこっとしか触れてなかったけど、出汁が本当に美味しかった。カサゴって白身だから割とすっきりした出汁が出るのかと思いきや結構グッとくる美味しさだった。
そして多分だけど、メバルやオニカサゴなどほかの根魚系も同じような傾向な気がしている。
今回の経験をもとにそのうち他の魚種でもどんなふうに時間経過で味わいが変化するのか試してみるのも良いなー。
コメント