アカハタは寝かせるほど旨味が強くなる魚
アカハタって釣った直後に食べてもあんまり美味しくなくって、カサゴみたいにちゃんと寝かせてあげないと味が出てこない魚。
なので、「アカハタは味があっさりしててあんまり美味しくない…」という感想を見かけたらそれはアカハタをあまり寝かせずに食べてるからな可能性が高い。
以前10日寝かせたアカハタを食べた際、とにかく旨味が強くて食べた後も舌の上に旨味がまだ残っているような感覚を覚えるほどだった。
アカハタはそれほどに強く、旨味を主張できるポテンシャルを持ってる魚。
どこまで寝かせるとどれだけ旨味が強くなるの?
で、ここからが本題。
以前10日寝かせた・・と上に書いたけど、この時のアカハタの旨味は真骨頂のものだったのか、それともまだ先があるのか確かめてみたくなった。
ちょっと調べてみると、結構人によって寝かせる期間が違うみたい。
4日目が至高という人もいたり6日目で寿司ネタにしてたり14日寝かせてたり1ヶ月寝かせてたりする。
ここまで寝かせる期間がばらけてるってことは、実は10日基準じゃなくてもっと寝かせる期間が短くても十分味が出てたりするのな?
もっと寝かせるともっともっと強い旨味がでたりするのかな??
うーん、、アカハタの最適な熟成期間が気になる・・・!!!!!
すぐに検証してみたかったんだけど、長期間寝かせられるような処理を施されているアカハタは入手しにくい。
簡単にさくっと釣れるような魚というわけでもなく、ハタ類の中では安い部類に入るもののそれでもしっかり高級魚だし、秋冬は船出てないし・・・ということで長い間アカハタを入手することができていなかったのだけど、この度ようやく!!
ようやく30cm超えてて800gほどの大きなアカハタを2匹釣りあげた!!これで1年越しの気になっていたアカハタの最適な熟成期間を検証できるぜ!!
ということで、今回はアカハタ2匹を使って7日目、14日目で食べ比べて、旨味が一番強く感じられる熟成期間を探った。
特に!
- 7日目ですでに10日目と同じくらいの旨味が出ていたりするのか
- 14日目は10日目よりさらに旨味が強くなってるのか
といったあたりは明確にしておきたいポイント!!
この記事はこんな方向け
- アカハタをどれくらい寝かせて食べようか迷いすぎて困ってる
- アカハタ釣り上げたは良いけどすぐ食べてもあまり美味しくなかったんですよ。アカハタって本当に美味しいの?
今回のアカハタの処理状態
前回アカハタを釣り上げて10日寝かせた時と同様の処理を実施している。
釣ってから即座に活締め血抜き処理をして海水氷で冷却し、帰宅後に津本式の脱血処理と亜真空での氷温冷蔵を実施したうえで寝かせている。
そのため、釣り場で血抜きはしたけどその後キッチンペーパーとラップで保存している状態とは保存可能期間が異なるので要注意。
同じように長期間寝かせて食べてみたい場合は自分で津本式脱血と氷温冷蔵を実施するか、同様の脱血処理がされたアカハタを購入して試してみるのがオススメ。
絶対に氷締めしかしてないような個体で試さないこと。アカハタが良く釣れる夏場は特に食中毒の危険性も高まるので、熟成させるなら自己責任のもとで実施してください。変な臭いがしたら捨てる勇気を。
7日目:旨味はしっかり出ているがまだ先がありそうな味わい
さっそく7日寝かせたものを食べてみる!
7日寝かせたアカハタの外見
まずは外見チェックから。
うーん、デカい。
なんか魚体に厚みがあるんだよね、ハタ系って。ちなみに変な臭いは一切しないしアラも美味しそうで問題無さげ!美味しそう!!
お刺身用におろしてみた。
淡いピンクがかった白身でとてもきれい。高級魚感ありますねー。
7日寝かせたアカハタの刺身
そして刺身にしたのがこちら。さて、どんな感じかな?6日目で寿司ネタに使うこともあるくらいだから結構良い味になってそうだし期待値高め!
お刺身としてしっかり美味しい!
- 風味・・・一切の臭み無く問題なし。
- 旨味・・・しっかり出ている。が、舌の上に残るほどでは無くカサゴと同じくらい。
- 食感・・・柔らかいもののしっかりした食感がある。薄いそぎ切りが相性良さげ。
まとめると、ちゃんと美味しいけどこれはまだ真骨頂じゃないよね?もっと美味しくなるよね?って言いたくなる味わい。
そう、ちゃんと美味しい。旨味は出てるし食感も程よい。でも10日寝かせたものを食べた時のあの舌に余韻を残すほどの旨味はまだ出てきてない。
そして少し厚めに切ると食感が強いので酢飯とあまり合わなくなってしまう。酢飯に合わせるなら薄く切りつけるのが吉。
ちなみに半身を煮付けに、アラを味噌汁にしたら超絶美味しかった。しっかりした出汁が出るし、身自体も細かな繊維質で高級感溢れる味わい。さすがの高級魚・・・そして子供がほとんど平らげた・・・。
14日目:明らかに強い旨味が出てきた
続いて7日目からもう一週間我慢して迎えた14日目!
14日寝かせたアカハタの外見
どんな感じになってるかな?
7日目と比べると全体的に落ち着いたどこか印象。嫌な臭いみたいなものは出てないので食べても問題なさそう。
そしてやっぱりデカいなw
食べ応えありそう!!
お刺身用に半身を切り出してみると、腹骨の根本付近、おそらく少し血合いが残っていたところが薄く茶色になっている。
傷んでいるところだと思うのでこの場所と尾部の切断面は少しトリミングしてお刺身で食べた方が良さそう。
ちなみにおろした後もやっぱり変な臭いは一切しない。アカハタの熟成ポテンシャルの高さすげーな。
14日寝かせたアカハタの刺身
いざ、お刺身!!!!
- 風味・・・一切の臭み無し!
- 旨味・・・あっさり味わいの中に強い旨味があって食べた後もしばらく感じる。
- 食感・・・7日目より柔らかいものの食感は変わらずしっかり。薄いそぎ切りが良さそう。
14日寝かせて臭みがないってのがまずすごいwハタ系の白身の良いところだな。
そして気になってた旨味はやはり7日目とは別物に仕上がってきた!!アカハタらしいさらりとした味わいはそのままに、旨味を強く感じられるようになってて良い感じ!
つまりとっても美味いよ!!
刺身としてすごく美味しい。塩レモンとかでも美味しそう。
ただ、以前食べた10日寝かせたものと比べると旨味の強さのインパクトは10日目の方が強かった印象があるんだよな・・。アカハタで14日っていうのは長く寝かせすぎなのかも?
食感はさすがに長く寝かせてるだけあって柔らかくはなってるんだけど、それでもしっかりした歯ごたえがあるので、酢飯との相性はあまり良くなさそう。お刺身で食べて美味しい!ってなるタイプ。
例によって半身をまた煮付けにして食べてみたらこちらもスーパー美味しかった。カマも一緒に煮付けてみたら少しだけ臭みが出てたので、14日寝かせたものは空気に触れてない部位だけ食べるのが良さそう。
まとめ(考察)
寝かせる期間7日と14日で何が変わった?
まず7日と14日でほぼ同じだな、と思ったポイントは食感。もちろん14日の方が少し柔らかいんだけど誤差の範囲内。
どちらも厚めに切ると歯ごたえ良すぎて酢飯には合わず、薄切りにして丁度良いと感じる。
そして変わったポイントは風味と旨味。14日目の方が寝かせた魚っぽい香りが感じられた気がする。旨味は間違いなく14日の方が強く出ていた。
寝かせた魚っぽい香り、というのは別に嫌な臭いが出ていたというものではなく特に気になるようなものでもないけど「あ、寝かせてるな」って分かるあの香り。説明しにくいけどあの香り(笑)
そしてアカハタを寝かせるなら、どうも7日より長めにした方がより旨味が強くなりそうだ。
アカハタを寝かせるなら10日くらいが美味しいんじゃない?
ただ、14日目を食べてみて出てきた率直な感想が、「10日目の方が旨味が舌に残った気がする」というものだった。
もちろん14日目は旨味が強く出てきていて美味しい。美味しいんだけど、どこかピークを過ぎつつあるような印象もある。
主観的な感想だし、10日目は同じタイミングで食べたものではないので「間違いなくこうだ!」と言い切ることはできないけど、それでも記憶に残っている10日目のアカハタの旨味は14日目よりは明らかに強く感じた。
ということで、10日目の記憶を正しく持っていることを前提とすると、アカハタを寝かせて出てくる旨味のピークは10日目付近にある可能性が高い。
- 7日目より14日目方が強い。
- 10日目より14日目の方が弱い。
- ということは、7日目<14日目<10日目って感じの関係。
そしてアカハタは2週間ほど寝かせてもまったく風味を損なわないという長所もある。
よって、せっかく釣ってきたアカハタを美味しく食べたい10日くらいは寝かせてあげると「旨味がすげえ!!」というお刺身を味わうことができそうだ!!
次にアカハタが釣れたらもう一度10日熟成してみるかも
今回は10日目が一番強い旨味を感じた、という結論としたけど、そういえば10日目熟成の個体は今回と比較するとやや小さめだった。
魚は一般的に小さい個体の方が早く熟成(腐敗)が進むので、サイズが小さいことにより早く熟成が進んだ、つまり、800gのアカハタであれば本当はもっと寝かせないと強い旨味が出てこない、という可能性がある。
そこまで大きなサイズ違いではなかったけど、次に800gくらいのものが釣れたらこの点はちゃんと検証しておきたい。
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