マアジとマルアジって見分けつきにくい?
先日イナダ五目で釣れたスマートなアジと充実したアジ。釣った瞬間は「個体差でかいな!」くらいに思ってたんだけどよくよく見るとマアジとマルアジが混合で釣れてたみたい。
マアジとマルアジ、どっちがどっちよ??
ってなりませんかね?僕はなっちゃったんですよ。
そもそもアジって色々種類があって正直どれがどれなのか分かりにくい。(マアジとかメアジとかマルアジとかムロアジとか)
そしてマルアジって勝手に「パサつきがちな安いアジ」のイメージ持ってたけど、実際どうなんだろ?
どうなの?
マルアジってマアジよりおいしいの?それとも微妙なの?
うーん、、見分け方もだけど味の方はもっと気になる!!
ということで、今回は同時に釣ってきた同じサイズのマアジとマルアジを「見分け方」「美味しさ」の2つのポイントで比較検証してみた。
※見分け方は意外と簡単なので、アジメインで釣りをしてみたい人やスーパーでマルアジを買おうかお悩みの方にはおすすめの記事です!多分!!

この記事はこんな方向け
- 今までマアジとマルアジを気にせず生きてきた
- アジって種類によって味が違ったりするの?
- 釣れたアジがマアジなのかマルアジなのか確かめたい!
今回のマアジとマルアジの条件
今回比較したマアジとマルアジは↓こんな条件下のもの。
- 時期は12月末。
- 相模湾の深度約100m、定置網付近で釣り上げたマアジとマルアジを比較。
- 釣り上げてから即脳天締めと血抜きを行い、クーラーボックスで冷却している。
- 帰宅してからの津本式脱血は実施していない。
- 釣りの翌々日(僕の熟成期間の数え方だと2日目)に食べ比べを実施。
翌々日を選択した理由は、①釣り上げた当日は身が落ち着いてないし、②翌日はアジの風味が出きっていない可能性があるよな、ということで一番アジの風味が大きくなりそうなタイミングを狙った。
ちなみに今回は12月末というがっつり冬に釣ってきたマアジなで一般的な初夏のあたりの旬からは外れている。なので、食べ比べの結果が初夏だったらまた違う結果になる可能性は非常に高い。
まずはヒレとゼイゴでささっと見分けよう
まずは見分け方!!
見た目①:ゼイゴのカーブのしかたが違う
マアジとマルアジの違いはまずゼイゴのカーブの曲がり方である程度見分けがつく。ゼイゴのカーブを言葉で表現すると、、
- マアジ:ゼイゴがぐいんって曲がってる
- マルアジ:ゼイゴが直線的
言葉では伝わりきらないと思うので実際の画像がこちら↓。


見た目②:尾びれ近くのおまけみたいなヒレがあればマルアジ
続いて決定的な違いが尾びれ近くにある小さなヒレ。
画像の左側がマルアジ。つまり・・・
- マアジ:おまけのヒレなし
- マルアジ:おまけのヒレあり

見た目③:上から見た色の違いもあるよ!
最後に分かる人ならわかるのか?的な違い。↓この画像で上がマアジ、下がマルアジ。マルアジの方がどことなく肉厚で青っぽい背の色をしている。
達人ならこれだけでも見分けられるのかもしれない。

捌いてみると意外と判別しにくいかも・・・
外見でマアジとマルアジを判別するのはOK!!ということで次はさばいた状態で判別できるかちょっと見比べてみた。


いやー・・・これはわかんないやw
今回はマアジの方が身が白かったけどいつもこうとは限らないだろうし、マルアジの色合いもマアジのように白くなることもあるだろうし、ということでさばいた状態だと見た目では判別できそうにないわ。
味もしっかり違いがあるよ!秋冬のマルアジ美味いよ!!
見た目では①ゼイゴのカーブ、②尾びれ近くの小さなヒレ、という2つの見方で見分けられそうなマアジとマルアジ。
じゃあ味わいはどれくらい違うのかなーっと実際に食べ比べて確かめてみたら、、
なんとまあマルアジの美味しいこと!!
マアジの下位互換くらいの気持ちでいたのでこれは嬉しい誤算!
先に解説:脂のりや風味は時期と場所によって全然違うのがアジ
ところで先にちょろっと書いておくと、今回の比較は「マアジの方がマルアジより美味い!!」と言った感じに単純な結論は出せない。なぜならアジ自体、時期や生息エリアで味わいがかなり違うことが一般的に知られているから。
そもそもアジ、特に「マアジ」は本州ならほぼ全域で食べられているすごい馴染みのある青魚。各地でブランド化もされているし、地域によって微妙に旬がずれたり、内湾性や外洋性で脂のノリが全く違うということも知られている。
つまり、マアジ自体「こういう味がする魚です」と定義するのは少し難しくて、「この時期このあたりで漁獲されたなら多分こんな味」という表現のほうがしっくりくる。
マアジについて一般的に言われている特徴はこんな感じ。
- 内湾性(湾内瀬付き)は脂が良く乗り、外洋性はあっさりしていて大味になりやすい
- 旬は初夏(脂がのるらしい)
湾内瀬付きのマアジなら時期関係なく脂のり最高
まず、マアジは瀬付きのもの(湾内に居ついているもの)が脂がのって味が良いとよく言われてる。
確かに、東京湾内のマアジは通年で凄まじい脂ののりが特徴。あのあたりのアジに旬は関係ない。個人的に気になる東京湾特有の臭いや脂のくどさが気にならなければ東京湾のマアジは最高に美味いはず。
栄養豊富な海であれば時期関係なく養殖状態になって脂が超のるんだろうなーってことなのかな、と。
大阪湾のアジも同じ感じなのかな?
春夏ならマアジ、秋冬ならマルアジの方が脂がのりやすいかも
一方でマルアジの旬は秋冬と言われている。マアジは初夏なのでとは旬が逆の季節になる。
今回(秋冬)釣り上げたマルアジは内臓脂肪がしっかりついていて船宿の「脂ノリノリ」という表現がそのまま当てはまる状態だった。

なので初夏のあたりならマアジを狙って、寒くなってきたらマルアジを狙う。通年脂乗り最高なのが食べたいなら湾内でマアジを狙う、みたいな釣り物の選び方をすると、いつも脂がのって身が充実したアジを食べられる気がする。
本題:上品なのがマアジで濃い味わいがするのがマルアジ
ということで本題!!
マアジとマルアジ食べ比べてみたよ。
お刺身で比べると風味の違いが良く分かる

まずは薬味無しで醤油だけで食べてみる。
- マルアジは・・・ほーん、血合いが大きいためか少し野性っぽい風味。
- マアジ・・・実に上品。血抜きされたマアジの上品さって白身みたいになるからすごいよなー。
続いて生姜やネギなどの薬味をつけてみる。アジは薬味との相性がすごく良いから期待したいところ。
まずマルアジ・・・お!風味のクセがなくなってマアジよりも強い旨味を感じるよ!!
なんだ!超美味しいじゃんマルアジ!!
マアジの方も薬味との相性はさすがのアジで美味しいけど良くも悪くも万能選手感がある。
薬味をつけて食べるならマルアジの方が旨味が強くて美味しいし、上品にいきたいならマアジって感じ!
お寿司も甲乙つけがたい!!個人的にはマルアジ好き。
お刺身で結構味が違うのね、ということが分かったので次は握り寿司で!!


お寿司にしてみると甲乙つけがたい・・・!!
酢飯との相性はどちらも最高!!薬味をつけるとやっぱりマルアジの方が力強さがある。
- マアジ・・・いつも食べてる新鮮なマアジのお寿司で言うこと無し。上品でしっかり旨い。
- マルアジ・・・旨味や風味が濃くてパンチがある!!
どっちも美味しいけどやっぱりマアジは上品さが際立つ。対してマルアジは風味というのかなんというのか、なんか濃いw
家族もマルアジの濃さには同意見で「臭いわけじゃなくて味が濃いね」と言ってた。お寿司ならマルアジの方が好みだわ。
まとめ
今回はマアジとマルアジの見分け方とアジの違いを確かめてみた。
簡単に見分けるなら①ゼイゴのカーブの滑らかさ、②尾びれ近くのヒレの存在、で判別するのが良さげ。背中の色でも見分けられるのかもしれないけどあれは達人の領域ってことで。
ゼイゴのカーブ | 尾びれ近くのヒレ | |
マアジ | ぐいんと曲がる | ヒレが無い |
マルアジ | 直線的 | ヒレがある |
背中の雰囲気や色合いのほかにも、捌いた時の血合いの大きさも違いとしてはあるらしい。が、この差異はある程度慣れないと見分けるのが難しいと思うので基本は①②で見るのがオススメ。
そして今回食べ比べた秋冬のマアジとマルアジ。どちらも相模湾内で釣れたものだけど、さすが旬というか、マルアジの濃い風味や旨味はマアジよりも主張があって力強い美味しさだった。脂ものってたし。うん、さすが旬。
ということで、マルアジも旬を選べばマアジより脂のりが良く旨味が濃い。
湾内瀬付きのマアジ狙いも良いけど、寒い時期はマルアジ狙いもアリだと思いますよ!!

コメント