一度天然ものの最高峰ブランドを食べておきたい!!
そんなことを思いまして。
ブランドが多く出てきている養殖ブリも食べ比べてみたいけど、そもそも養殖ぶりと天然ぶりが今どれくらい違いがあるのかを確かめてみたい!
天然もののトップブランドといえば・・・やっぱり氷見の「ひみ寒ぶり」でしょ!!
ということで、今回は氷見のブランド「ひみ寒ぶり」を取り寄せて色々な食べ方を試してみることにした。
丸一本買うと数万円かかるような超高級魚なので庶民が奮発して購入できる価格帯で販売していてかつ信頼できる魚屋さんを探しているとまさかの角安商店がヒット!
今まで鮮魚セットを何度も頼んだことがあり、毎回美味しい魚がやってくるので割と僕の中では鉄板扱いになっているお店。
ここなら大丈夫だろうと思って角安商店さんから取り寄せてみた。
ひみ寒ぶりとは
ちなみに、今回取り寄せた「ひみ寒ぶり」は2011年に氷見漁協にて氷見の寒ぶりの名称を統一した際に生まれた登録商標のこと。
どんなブリを「ひみ寒ぶり」と名付けて良いかどうかも基準が定められていて、
- 氷見魚ブランド対策協議会が判定した期間に
- 富山湾の定置網で捕獲されて
- 氷見漁港で競られた
- 6kg以上のブリ
こんな感じで4つの条件をクリアしていることが必要。
「期間」というのは毎年ニュースでやってる「ひみ寒ぶり宣言」が出てから終了の宣言が出るまでの期間のこと。11月中旬とか12月あたりから翌年1月末あたりまでの期間になることが多いイメージ。
過去、2016年には不漁により宣言が出せなかったこともあった。
毎年ちゃんとブリのシーズンが来たかどうかをチェックしたうえで「ひみ寒ぶり」と言えるブリを出荷することでブランド力を維持しているっぽい。
この記事はこんな方向け
- ひみ寒ぶりはどんな美味しさがあるのか知りたい
- ひみ寒ぶりって高いけど、買うだけの価値があるものなの・・・?と疑問に思ってる
- 天然ものって脂のってなくてかたいって聞いたけど寒ブリは実際どうなのか知りたい
今回届いたひみ寒ぶり
今回角安商店から10,000円で取り寄せたひみ寒ぶり。期待を裏切らない内容でした!安心!!
鮮魚セットのように発泡スチロールに入っていて、出してみたところは記事のトップ画像の感じ。
まずはお刺身にできる柵がかなり多めに入ってきて・・・
これは加熱して食べる用の切り身かな?というのもまた多めに入ってきた。切り身は尾に近い部位が2枚、背側の巨大なものが2枚、そして腹側が1枚。
画像だと小さめに見えるかもしれないけど魚自体が大きいので実際は迫力があるサイズ。
そしてアラが大体2人前くらいの量かな?それに胃袋が少し入ってた。胃袋は湯がいてポン酢とかがオススメらしい。
柵や切り身は真空パックされているので血合いが茶色くなっているなどの劣化は一切なし。もちろん臭みも無し。
量としては、一食で食べきるのであれば大人4~5人が満足してブリを味わえる量だと思う。(お腹いっぱいとはならないけど十分満足できる気がする)
8種類の食べ方で味わってみた
早速実食!!
CASE1.刺身
ブリといえば年末年始に厚切りのお刺身でいただく!!というのが親の実家(九州地方)での食べ方だったらしく、小さいころからブリならお刺身ということが多かった。
なのでやっぱり最初はお刺身で。
今回届いたひみ寒ぶりの柵は腹側、背側とバランスよく入ってたので両方ともお刺身にしてみた。
うまい!!!!
すんげーなこの魚!!試しに食べたほんの一口で美味しすぎて笑いが出てきた。
- 脂は凄いのってる。
- 身質は柔らかいけど養殖のような柔らかさとは違って心地良い食感。
- 養殖に感じる脂の香りは無く、代わりにカワハギの肝のような香りがある。
まさしく天然ものならではの美味しさ。そして相模湾で釣ったイナダと同じ魚とは思えないほどの上品な味わいも驚き。
脂の香りが養殖と天然でここまで違うとも思わなかった。
ちゃんと魚らしい主張を持ってるからシンプルに食べても美味しいけど、色々な料理に派生させてもかなり美味しそう。
初っ端から食材としてのポテンシャルの高さを見せつけられたわ・・・。
CASE2.おろしポン酢
刺身で食べたときに感じた脂は、例えるならカワハギの肝のような魚っぽいコクのある香りを持っていた。そして天然といえど腹身は大トロのような脂ののり具合になるのでそんなにたくさんは食べられない。
ということでカワハギの肝といえばポン酢&ブリと言えば大根なので今度はおろしポン酢でお刺身を食べてみる。
あー、すごく美味しい。すんげー美味しい!
いくらでも食べられそう。
脂自体は大根おろしでサッパリするので食べやすくて、ポン酢と脂の香りがマッチして爽やかな美味しさになってる。
脂をそのまま味わうか、さっぱりさせて香りを装飾したりして味わうかでこのブリに対して感じる美味しさが変わりそう。
CASE3.炙りおろし和え
普通のお刺身じゃなくて炙りならどうだろう・・と思って柵を一つ炙りにしておろしポン酢と和えてみた。
香ばしい香りが足されてこれまた美味い!
炙ったことである程度脂も落ちたけど、それより少し揚げたような感じになって美味しさが増した。これだと塩焼きも美味しいかも。
CASE4.握り寿司
平戸なつ香ブリの寿司では薄めに切りつけた方が握りやすかったのでひみ寒ぶりでも同じように薄めで握ってみる。
背側と腹側でそろえてみた。
背側の見た目は養殖よりも赤色が強い。その一方で腹側は真っ白に近い。血合いは鮮やかで淡い色ではないあたり天然っぽいなー。
うまくて笑えてくる。ブリってこんなに美味しかったっけ?
なんかもうよくわかんないけどこの魚は美味い!!
柔らかいけど食感が良いのも際立つ。質の良い天然ものの風味が強くて、やっぱり肝をどことなくイメージさせる。醤油も良いけど紅葉おろしポン酢とかも相性良さそう。
日本酒ほしいなw
CASE5.ブリ大根
アラと尾側に近い身はあっさり味のブリ大根にしてみた。
こいつはすごく食べやすい・・・!!
いつもブリ大根を作ると感じるあのブリ臭さが一切出てこない。
これは新潟から天然ブリを取り寄せた時と同じで処理が良い&鮮度が良い&綺麗な海域(餌)、みたいな条件がそろうと臭いが出ないのかもしれない。妄想だけど。
そして身がジューシーで食べやすい&美味い。頭あたりの柔らかいところも美味しいけど中骨についてる身が不思議と美味しい。中骨付近の身がパサつかずにジューシーな美味しさってのは中々無いかも。
脂はしつこい感じも無く、すごく食べやすいブリ大根。ブリ大根ってこんなに癖のない味わいになるのね。
CASE6.煮付け
見た目からして身がしっかりしているのが分かる。
特に腹身を切り身にしてから煮付けると結構崩れやすいんだけどこのブリはまったく崩れるような感じは無く箸でひっくり返しても全く問題なかった。
腹側の身を食べてみると・・・おお、柔らかいけどしっかりした旨味のある味。そしてなんて上品でリッチな味わいよ・・・
ここまで上品な香りを持つブリの煮付けは食べたことが無かった・・・。
良くも悪くも、煮付けは一番ブリの脂の香りが出てくる料理だと最近思うんだけど、ひみ寒ぶりは非常に透明度の高い脂の味わいと香りがある。
魚としての香りなんだけど、なぜか上品。こりゃ美味しいわ。
生姜を入れてもよさそうだけど、ひみ寒ぶりなら脂の香りをそのまま楽しむという選択肢もアリだと思う。
背側の血合い肉はまたブリの香りが濃厚でかつ心地よい柔らかさでめっちゃうまい。ブリの芳醇な美味さを堪能するなら血合い肉はポイントなのかも。
CASE7.塩焼き
腹側を塩して焼いてみると脂がしたたり落ちてきて身が揚げ焼きのようになった。
脂が凄い!!
同時に肉質がしっかりしてるのもまたすごい!!
養殖の腹身だと身がほろっと崩れる感じになることが多いけどこれは天然ものならではかも。
脂はすごく透明感がある一方でしっかり「魚の脂」という香りもあり、カボス果汁で香りと酸味を足してやると一段と美味しくなる。
例えが難しいけど・・・牡蠣に柑橘汁かけるとまた美味しくなるみたいな感じか?
CASE8.照り焼き
大きな背側の切り身も入っていたのでこれは照り焼きにするしかない!
さすがに背側の身なので脂はそんなにのってないか・・・?と思ったら予想通り、この切り身は割とあっさりめの肉質でおかずとして美味しく食べられる感じ。
脂の持つ美味しさが控えめな代わりに血合いや身自体のもってる旨味が分かりやすい。天然ものらしい身の締まり具合、そして風味が白ネギとの相性抜群で大変美味しいっす。
CASE9.塩ブリ
厚切りの切り身に塩&ペーパー&ラップで包みそのまま4日ほど冷蔵庫で放置。放置し続けると脂焼けしそうなリスクも感じたのでほどほどの熟成期間。
冷蔵庫から出してラップを外してみるとザ・水産加工品って感じの臭いがするw
大丈夫かこれ?と思いながらじっくり焼いて食べてみる。
しょっぱさの中に脂の甘みを感じる・・・朝食にこれが出てきたら豪華すぎる。
塩加減は甘塩。塩して寝かせた塩鮭みたいな特有の香りも出てて朝食のおかずって感じ。水分が大分抜けていて、一口食べるとパサついてる?と思いそうになるけどすぐに脂の甘みを感じるような味が出てきて奥深い味わい。
ブリの隠れた一面を垣間見ることができる食べ方かもしれない。
まとめ
ひみ寒ぶり最大の特徴は脂の質と食感
まさに天然ものの王者たる味わいで楽しませてくれたひみ寒ぶり。購入する前はちょっと高いな・・・と思っていたけど、養殖では味わったことのない、値段にふさわしい美味しさに圧倒された。
今回取り寄せてみたひみ寒ぶりを食べてみて分かったのは、しっかりのっている脂の質と身の食感が養殖のブリとは全く違うということ。
- 脂・・・くどさが無い。脂臭さも無い。ほんのり肝に近いような上品な魚の香りを持つ。
- 食感・・・しっかりした歯ごたえを持っているが硬くはない。腹身を煮付けても崩れない。
脂の使い方で味わいが変化しそう
脂ののり自体はかなりすごいし、脂自体を味わうなら刺身や寿司など素材をシンプルに味わうことのできる食べ方が良いと思う。
また、塩焼きのように、じっくり焼いていると脂が浮き出てきて揚げ焼きのような状態にできる。この食べ方ができるのもしっかり脂がのっている魚のみなのでひみ寒ぶりにはうってつけの食べ方ともいえる。
一方で、どんなにすっきりして上品な脂であってもくどさはどうしてもあるもの。大根おろしのようにさっぱりした薬味や柑橘を合わせることで、脂の強さを相殺し、また違った美味しさを楽しめた。
ということで、脂をどういうふうに味わいたいかで食べ方を工夫するとひみ寒ぶりを最後まで美味しく食べきることができると思う。
クセが無くて上品な脂を持っているので、他の食材と合わせやすい。ブリ自体のポテンシャルが高いので和風でも洋風でも、どんな食べ方でも馴染みが良い。他の食材とのマッチングで美味しさがレベルアップしやすいのもこのブリの特徴。
今度取り寄せたら、刺身や寿司だけではなく創作料理に使ってみても良いかもしれない。
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