大量の魚を最後まで美味しく調理するコツを詳しく解説【釣り】【鮮魚セット】

富山からのお取り寄せ鮮魚セットお魚取り寄せ
富山からのお取り寄せ鮮魚セット

大量に釣れた時や鮮魚セットが届いた時、全ての魚を確実に美味しく食べたい方へ

釣りや鮮魚セットの取り寄せなどでたくさん色んな種類の魚が手に入った!色んな魚がいて面白いー!けどどうしたらいいのーー!!と、困ったことは無いだろうか。

僕は釣りに行けない時期、全国各地の鮮魚セットや鮮魚詰め合わせを頼んで自宅で調理することにしているのだが、鮮魚セットの取り寄せを頼むと毎回魚のバリエーションがありすぎて、そのたびにどうやったら美味しく食べきることができるのか頭を悩ませてきた。

魚種ごとの鮮度持ちを誤ってそのままゴミ袋行きにしてしまったことも何度かあり、その心苦しさったらない。折角手に入れた魚なのに本当にもったいない。。

ということで、釣りを始めたばかりの方や鮮魚セットを始めて取り寄せてみた方へ。

ノーガードで魚に向き合うと僕のように勿体ないことをしてしまうかもしれない。

そこで今回は今までの失敗の経験も踏まえて、大量の鮮魚を最高の状態で食べ尽くすためにはどのように扱えば良いかを解説したい

この記事はこんな方向け

  • 五目釣りなどで多種多様な魚を沢山クーラーBOXに入れてみた。美味しく食べたい!!
  • 鮮魚セットを頼んでみたら白身魚から青物系までバリエーション豊富すぎ、果ては肝がビニール袋に入っていたりしてどれから手を付けたら良いのかわからない!!
  • 取り寄せの魚が意外と大きくてこれまたどうすれば良いか途方に暮れそう…
  • 私は魚の取り寄せ初心者です

魚の下処理完了までの大きな流れ

まずは大量の魚を処理しきる全体の流れを書くと、こんな感じだ。

  1. 事前準備
  2. お魚到着
  3. 魚の確認
  4. 計画化
  5. 下処理&当日分の調理
  6. 計画に従って調理&実食

お魚到着は良いとして、大量の魚を処理しきるために大きく4つのステップが大事。鮮度落ちに直結するので必要な下処理は到着当日中に終わらせなければならない。

そしてこの中で絶対妥協できないのが魚の確認と計画化だ。ここの良しあしが美味しいお魚ライフを送れるかを左右する分岐点になるので心しておこう。

各ステップを説明してから、それぞれ実践編として今回取り寄せた鮮魚セットを例にどのように作業を進めていくかを解説する。

事前準備

やってきた魚をできるだけ早く処理するために、魚を捌くために使う道具は事前に用意しておく。

  • まな板
  • ウロコ取り
  • 骨抜き
  • 包丁類
  • キッチンペーパー
  • ラップ
  • ボウルなどの容器

そして見落としがちなのが冷蔵庫。魚を保管できるだけのスペースはあけておくようにする。下処理をすませた魚が冷蔵庫に入らないとなったら詰んでしまうので要注意。

また、↓このような調味料系を先に作っておくのもおすすめ。

  • 粕床
  • 味噌漬け用の味噌床
  • 刺身の漬け用のたれ

鮮魚詰め合わせなどを取り寄せた場合、小さい魚が沢山ではなく大きな魚が数匹ということもある。

魚が大きい時は切り身をそのまま味噌漬や粕漬など味付けしてから冷凍するのも一手だし(魚は味付けをしてから冷凍すると味の劣化が起きにくい)、粕床や味噌床はその時使わなくてもかなり日持ちするので念のため用意しておいて損は無いと思う。

道具類は事前に用意。冷蔵庫もあけておこう。
粕床や味噌床を先に作っておくのもおすすめ

魚の確認

魚がやってきたらまずは種類と数、大きさをメモしよう。

そして知らない魚があればすぐに検索して白身なのか青系なのか、足が早いのかどうか、相性の良い料理は何かを調べる。地方の呼び方で記載されている魚も多いので結構面白い。

ちなみに鮮魚詰め合わせ系の鮮魚セットは野締めされているものが多数。活〆&神経締めまでされた魚が入っていることもあるが基本的に野締めだと思った方が良い。

なので、そもそも鮮度が保ちやすい魚なのかという知識に加えて、やってきた魚それぞれの状態を確認することが大事になる。魚の状態、どれくらい持ちそうかということも、ちゃんとメモしておこう。

ちなみに野締めの場合は白身で持ちそうに見える魚でも数日以内に食べ切るか冷凍することを念頭に置いた方が良い。

魚の種類、数、状態を確認し、それぞれ日持ち予測をメモしておく

計画化

魚の確認が終わったら、魚1匹ずつ「身」「アラ」「わた」をそれぞれ捨てるのか食べるのか、食べるなら何に調理するのかを考える。( 野締めされた魚の場合、内臓は捨てた方が無難な事が多い)

当日処理が必要なものと明日に回して良いものを決めるのがゴール。翌日以降はまた落ち着いて考えれば良いので、当日中に加工しないとまずいものを明確にしよう。

魚のパーツごとに、1日目どうするのか、2日目以降どうするのか、を表にまとめておくとモレが出ないのでおすすめ。後の実践編で例を紹介する。

当日の調理は下処理でちょっと疲れているので、なるべくシンプルなレシピにする良いかもしれない。

ちなみに鯛など日持ちしやすい白身魚が野締めの場合、刺身や寿司など生で食べるのは到着してから翌々日までが目安。

この場合は2日目までの生食用のサクをとりペーパー&ラップで巻いて冷蔵、他は加熱調理用に切り分けるとか、下味をつけて冷凍するとか(場合によっては干物にするか)といった下処理が考えられる。

また、イカは味をつけずに冷凍しても味の劣化がほとんどないと言われているので処理が大変な時は冷凍もオプションで考えて良いと思う。

魚1匹ごとの「身」「アラ」「わた」の食べ方、処理の方針を決める
当日中の処理がマストなものと後日に回しても良いものに切り分ける

下処理&当日分の調理

魚をどうするのか計画できたらあとは実行あるのみ。処理を始めたら迅速に、魚に対する温度変化が最小となるように処理していこう。

全ての魚をキッチンに置くのではなく、その時に処理する魚だけ送られてきた発泡スチロールから出して処理していくと良い。

効率的な処理の仕方のコツとして、最初に身、アラ、わたを全て分けてしまうと結構楽だ。アラはどんどんボウルに入れて行けば良いし、最初にここまでできていればこの後まな板を血で汚すことも少なくなる。

また、さばいてみて身割れを発見したりと意外と鮮度がよろしくないことがわかる事もあるのでその時は計画を臨機応変に変えていこう。

どうするかすぐに決まりそうになければ一旦キッチンペーパーとラップでくるんで冷蔵庫行き。当日中にはどうするか決めよう。

処理は手早く、できるだけ温度変化を小さくしよう
さばきながらの計画変更もあり、ということを念頭に置いておこう

実践編①事前準備

ここからは実践編として、今回富山から取り寄せた鮮魚セットを例に4ステップを紹介したい。

まずは事前準備。

今回はこれくらいを用意した。

ハサミは超便利アイテム

水で洗い流したまな板をサッと拭くための布巾や魚を拭くためのキッチンペーパー、などなど。

そして冷蔵庫もちゃんと空間を作っておく。

魚を入れるための場所はしっかり確保

実践編②魚を確認して身質や鮮度持ちを判断する

色々入っててテンション上がるー!!早速今回のお魚たちのラインナップをメモ…φ(..)

今回は富山の角安商店からのお取り寄せ。

チダイ(ハナダイ)  小型 ×1
 旨味のある白身。2日後まで生でいけそう。今が旬。

クロダイ 小型×1
 クセの無い白身。2日後まで生でいけそう。

ホウボウ 小型×2
 白身。2日後まで生でいけそう。大きくないので刺身は不向きかも。

コヅクラ(30cmくらいのイナダ)×1
 青物系。明日でも生で大丈夫そう。

カワハギ 中型(肝付)×1
 白身、刺身OK、肝は今日中

アカイカ(ケンサキイカ) 中型×2
 イカ特有の臭いが出始めている。今日中に加熱調理が吉。

シマダイ 小型×1
 白身。身が硬いので生で食べるにしても1日置かせた方が良さそう。

実践編③どうやって食べるのか計画を立てる

魚の確認が終わったところで次は計画。「身」「アラ」「わた」ごとに、今日中の処理がマストなものとそうでないものの切り分けが出来ればOK。

まずは自由に妄想

全体をパッと見た感じ今回は白身系が多いので初日に焦って色々する必要は無さそう。今日中に食べた方が美味しそうなのはコヅクラ、カワハギの肝くらいかな?あとアカイカも今日何かにしてしまおう。

…ということで、初日はカワハギの肝あえ、コヅクラの刺身、アカイカのイカ焼き。

せっかく鯛系が入ってるのでそれらのアラはまとめて潮汁にしたい。ハナダイは旬なので酢飯と合わせてみたいなー。ハナダイもクロダイも慌てて何かしなくても良いので今日は寝かせて、明日のメニュー候補。

他の魚のアラはまとめて出汁を取るかあら汁。

ホウボウは煮付けやアクアパッツァか…と思ったけど出汁のよく出る魚だから3枚おろしのぶつ切りで唐揚げにしておろしポン酢。アラは出汁とり行きで。今日はぶつ切りまでやっておけばOKかな。

アカイカは半分イカ焼き、のこりはイカ大根にしよう。

シマダイ…味はすごく良い魚なんだけど刺身にしても硬いんだよなー。明後日くらいが丁度よさげだけど仕事も入ってるから明日中には何かにしておきたい…ホウボウを揚げるから揚げ油使ってインド料理のスパイス揚げ魚にしてみるか。

妄想しつつ表にまとめていくとモレが出ない

色々と妄想しながら表に書いていき、最終的に今日やっつけるものとそうでないものを明確にする。実際に今回の魚ラインナップをどうするか、今日は何をするのかを整理したのが↓こちらの表だ。

今回頼んだところはウロコとワタは取ってもらうよう指定していたので調理に考えるのは「身」「アラ」のみだ。オレンジ色の文字が今日の晩飯候補。オレンジ色の列が今日中にどこまで下処理するかを書いている。

こんな感じで表にまとめておけば残り何があるのか分からなくならない。後はそれぞれの魚を表に従って下処理し、今日の晩御飯も作ってしまえば良い。

※ちなみにカワハギを2枚おろしと書いているが3枚おろしの間違い。この表を書いたときは片身を煮付けにしようかと悩んでいた。。

実践編④下処理と当日の調理

計画に従って下処理と今日の調理を進めていく。どちらから始めるかはお腹のすき具合と相談して決める。

下処理

処理していくうちに効率的な方法を思いついたりするので柔軟に処理を進めて行こう。魚は1種類ずつ順に処理していくのが楽だと思う。

ちなみにそのまま寝かせる以外の魚はアラと身を分けているが、アラは直接雪平に入れていった。鮮度が上々なのでさっさと火にかけて出汁を取ってしまう作戦。

頭や中骨は雪平にどんどん放っていく。鮮度が本当に良い時は塩を振る必要もない。

アラはこのまま煮だして出汁を取り、荒熱を取ったらそのまま冷蔵庫へ。2日ほどなら余裕でもつので後日味噌汁にしても良いし、漉して出汁を色々な料理に使うのもOK。

タイ系3種などそのまま寝かせる魚は一度全体と血合い周りをしっかりと洗い、水気を取ったうえでキッチンペーパーとラップでくるんで冷蔵庫。

刺身にするコヅクラとカワハギ半身は血合い骨を抜くorさく取りしてキッチンペーパーとラップでくるんでバットに入れて冷蔵庫。

ぶつ切りにしたホウボウもキッチンペーパーとラップでくるむ。カワハギの半身も唐揚げ行きなのでホウボウと一緒にぶつ切りにした。

調理

今日食べるのはコヅクラの刺身にイカ焼き、カワハギの肝和え。やっぱり下処理で疲れたのでなるべくシンプルに作れるレシピをチョイス。

コヅクラは刺身用としてバットに入れておいた分を切りつけて皿に盛って薬味を振ったりすれば完成。

イカは格子状に包丁を入れて焼くだけ。青柚子を添えて完成。

カワハギは肝を叩き、身は糸造りにして混ぜて完成。

当日の晩餐。コヅクラの刺身、カワハギの肝和え、ケンサキイカの焼きもの。日本酒が捗ること間違いなし!!

思いのほか作業がはかどったので、今日食べるわけではないがイカ大根も作ってしまうことにした。これでイカは当日中に全て調理されたことになる。

日持ちする料理や1日置いた方が味がしみて美味しくなる料理はさっさと作ってしまうのも一手だ。

まとめ

大量の魚をうまく扱うための最重要ポイントを最後にもう一度。

繰り返しになるが、4ステップのうち魚の状態判断と計画化は妥協が許されないステップだ。

僕が今まで魚をダメにしてしまった時はこの2ステップを曖昧にした状態で調理に入ってしまっていたことがほとんど。

ここをおろそかにするとそのまま残念な結果に直結する、ということを忘れずにいてほしい。

それでは楽しいお魚ライフを!!

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