きっかけはコロナで行き場を失った20万匹の高級カンパチ
もともと無名の実力派カンパチがブランド化されることに
とある休日のニュースで20万匹の養殖カンパチが行き場を失っているという情報を見た。
今までは料亭などに卸していたためブランド名もついていない高級カンパチだそうで、廃棄処分になる前にさばきたいぜ!という趣旨の取り組みが実施されていているようだ。
番組を見た当時はブランド名がまだついておらず、今まで全くその存在を知らなかったのだけれど須崎市のHPを見てみるとしっかりした実績を持っているナイスなカンパチみたい。
ふるさと納税でも「ふるさとチョイスアワード」で全国一位をもらい、海外の一流シェフからも絶賛されるなど卸先からのリピート注文も多く、品質には絶対の自信がある高知県須崎市野見湾のカンパチ
高知カワウソ市場HPより引用
コロナ禍で立ち上げたプロジェクト紹介動画でも、淡水浴をさせる、生餌を使うといった手法で高品質なカンパチを育てていることが分かる。
今まで小売りとして世に出ていなかった無名の実力派カンパチなわけだ。
これは支援目的も含めて頼んで味わってみるしかない!!ということで1匹まるっと頼んで食べてみた。ちなみに頼んで食べていた時はこの須崎勘八というブランド名はまだついておらず、「#20万匹の名無しのかんぱちに名前を」というハッシュタグでブランド名募集キャンペーンがSNSで発信されていた。
そもそもカンパチって何者?
カンパチってブリみたいなあれでしょ?ブリと何か違うの?
と言うのが僕の周りの一般的な認識だったのであらためて整理しておくと、ブリの仲間ではあるけどブリとは別種。
別種として覚えておきたいのはブリ・ヒラマサ・カンパチ。この3種は何がどうなろうと別種。ブリのあっさりしたのがヒラマサでも無ければ少し身が硬めなのがカンパチと言うわけでもない。
ブリやカンパチは出世魚だったり地方名が沢山あったりするので混乱しそうになるけど、まずはイナダとかワカシとかハマチとかの存在は忘れて「ブリ・ヒラマサ・カンパチ」をちゃんと区別しよう。
カンパチは夏が旬の高級魚!養殖ものも優秀なお味
高級魚ランキング的には「カンパチ≒ヒラマサ>ブリ」という扱いになっていることが多く、スーパーでも見ることが多いけどやっぱりカンパチは総じてお値段が高め。
そんなカンパチ。ブリと異なる点はいくつかあるが、一番分かりやすいのは旬が違うこと。
カンパチは6月~9月の夏が旬とされている一方でブリは冬が旬で真反対だ。
他にも、ブリより身が硬く食感が良かったり、小型でも味が良かったりといったところがカンパチの特長。
年間通じて味が落ちることも少ないうえに最近は養殖ものの味も良くなってきているので、正直旬が夏と言っても通年美味しい魚と言う扱いになっている。ちなみにどちらかといえば南の方の魚なので、養殖ものの産地は九州・四国地方がメインの魚だ。
須崎勘八1匹まるごと頼んでみたよ!!
想像以上にでかい&美しいカンパチが到着
さて、そんな高級魚である高知県須崎市野見湾産のカンパチ。
しっかり味わうならまるっと1匹頼んでみるしかあるめえ!!
ということでポチってみることにした。
商品としては2人前のお試しサイズ、半身を柵にしたもの、そして1匹まるごとといったラインナップ。1匹で12~16人前とのことだったし、近く釣りでイサキを大量に仕入れる予定(希望)にもなっていたので半分にさばいて友人と折半するプランだ。
お、購入ボタンを早速ポチるも想定以上の注文が入っていて発送までしばらく時間がかかるみたい。まあ、急ぎではないのでね・・・
と思っていた矢先(忘れていたころ)に発送予定の連絡メールが来た。
そわそわして待っているとついに!到着!!
長い!発泡スチロールが長いよー!
おおおおおお!!顔でかい!!
そしてやっぱり長い!!!この魚体から一体何人前とれるんだ!!!??
おまけが同梱
茗荷とハスイモ、醤油が同梱されてた。
ハスイモは今まで食べた事なかったけど高知の郷土料理に欠かせない食材らしいので丁寧に塩もみ&あく抜き&湯でて頂きました。
食感がサクサクしてて面白い野菜。水っぽくなりやすいのでそこだけ注意点かも。
見よ、この美しい魚体を・・・
やばい。
デカすぎてヤバいぜカンパチ!!
長さを測ってみたら70cmジャスト!今年の初めに釣ってきたワラサ73cmと良い勝負だが、それより明らかに体高がある。良い餌をたっぷり食べて太っている証拠か!
エラと内臓は綺麗に抜かれていて、尾部に切れ込みが入っていた。おそらくここから神経締めをしたものと推測。
それにしても、これはすさまじいカンパチっすね・・・!
頭を落として2枚おろしにしてみるとキレイな白身が出てきた。養殖ならではの白身と言った感じで臭みも無く良い状態なのが分かる。
高級カンパチのお味は食感と脂の乗りが超印象的!!
サクッとした食感と脂感の強さがウリかも
ということで、まずはお刺身で!
サクッとした食感とともに旨味と脂の美味しさが突き抜けて美味しい!季節感あふれるお刺身を贅沢に頂きました!
シンプルな見た目だけどさすがのカンパチ、侮れない美味しさと綺麗な白身、それに心地よい食感。ブリとは違った味わいで寿司ネタにしても間違いない美味しさ。
そして脂感が結構強い。寿司なら2貫食べれば結構満足できるかも。
刺身でこれだけ脂を感じるのでカマ焼きなど脂を少し落として食べる加熱系の調理とは相性が良さそうだ。
そして今回おまけで付いてきた醤油が甘い醤油だったのでもしかしてカンパチは甘目の味付けとも結構相性良いのでは?
甘目の味付けも相性バッチリ!べっこう寿司で頂きました
甘めの味付けだけど加熱して食べるにはまだもったいないので非加熱系の食べ方・・・というと「漬け」だ。
ただの漬けでは面白みが無いので「べっこう寿司」を作ることにした。
べっこう寿司は青唐辛子を醤油に数週間漬けて辛味を出した後、それに魚を軽くつけて寿司に握った伊豆大島の料理。
青唐辛子は無いけど以前作った青唐辛子味噌があったのでそれを醤油に溶かし、同量の酒を加えて煮切り、砂糖を加えて少し甘目に味付け。そんな感じの甘口な辛い醤油に刺身を漬け込んで寿司にしてみた。
そしてできたのがこちら!!
早速一貫食べてみるとやはり美味しい。甘目の味付けとカンパチの旨味がしっかりマッチしていて、かつ唐辛子の辛味がまた良いアクセント。強い脂感は程よく感じられるくらいに抑えられているし、甘み、辛味が加わりバランスが良くなっている。
うん、カンパチのべっこう寿司は結構良い線いってる気がするよ!これなら友達にも勧められそう!
野見湾産の高級カンパチ「須崎勘八」は実力十分!!
このあと、カマは塩焼きに、頭とアラはカンパチ大根(ブリ大根のカンパチver)にしてみたけど、どちらも非常に美味しかった!!
特に塩焼き系や汁物はカンパチの旨味の濃さが味わえるし、脂が程よく落ちるのでオススメ!!
刺身や寿司だけでは強い脂感をくどいと感じたり、脂の香りが少し気になる、という事もありそうなので、脂を落として食べられるのも塩焼きやしゃぶしゃぶなどの加熱系の強みだと思う。
しかしカンパチって今までそんなに味わおうと思って食べた事なかったから今回の経験は結構貴重だったなー。
ブリ・ヒラマサ・カンパチの3種で行くと、僕の中ではヒラマサが結構優位だったんだけどカンパチも負けず劣らずの味わいということが分かった。
今度カンパチ狙いで釣りに行ってみようかな・・・!
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