38cmの金目鯛がいまだかつてないほどに脂ノリノリ!!
庄治郎丸で釣ってきたナイスサイズな金目鯛!津本式の脱血もしっかりできたところで冷蔵庫の氷温でしばらく寝かせていた。
金目鯛は上手く熟成させれば6日目の炙りが美味しいということは以前初島沖金目鯛で体験して実証済み。
今回も6日待つかな・・と思っていたのだけれども・・・・待てませんでした!!
そもそも日曜日に釣ってきたのでその日を0日とすると6日目というのはなんと土曜日。。1週間も待たなければならないの・・?いやいやそんなに待てるわけないでしょ!!
というのも、なんとこの良型金目鯛、ワタを抜いてみるとしっかり内臓脂肪がついていることを確認!
これってもしや噂に聞く「トロキンメ」ってやつなんじゃないの??とドキドキしながら氷温室に寝かせていた。そして月曜、火曜といつ食べようか虎視眈々とタイミングを狙っていたがついに木曜日にチャンスがやってきた!(仕事が少し落ち着いただけ)
トロキンメは身にまで脂がまわる
いざさばいてみると「どうなってんじゃー!!」と言わんばかりにしっかり脂がのっている。
おかしい。金目鯛なのにこんなに脂がのっているのは今まで体験したことが無い。自分の中の金目鯛像が崩れていく・・・
よく熟成魚の表現に「身に脂がまわっている」と使われるキーフレーズがあるけど、この金目鯛がまさにそんな感じ。3枚におろして腹骨や血合い骨を抜き取ってふと見てみると今までさばいてきた金目鯛とは明らかに異なる風合いを見せている。なんか霜降り?みたいな?なんと表現して良いのかわからないけどなんだかまばゆくみえる・・・!!
とりあえず身がすごく美しいです。
皮目でも無いのに身自体が少してかっているように見えるんですよね…これがあれか、脂なのか。
熟成させた旨味も十分出てる!
刺身を食べてみると臭みゼロで良い旨み!
これだけ脂がまわっているので寿司以外に食べる選択肢はない!!ということで皮付きのまま寿司用に切っていく。
サイズもなかなかの大きさなので切りやすいのだけれどスキル的にどうしても端の部分は寿司用としては使いにくい。そこで余った部分は皮を引いてお刺身に。
お、銀皮がすごく簡単に引ける。ということはやはり脂が超のっているということだな・・さすがトロキンメよ。
ちょこっとの刺身を食べてみると脂のりも感じるがそれ以上にしっかり旨味が出ていることがわかった。これなら刺身でも良いし皮を引いて寿司ネタとして使っても十分美味しい!と言えるものになりそう。
だが今回は全て炙って寿司を食べたいので気持ちには正直に!皮を引くのはこの刺身のみと心に決めている。
トロキンメの炙り寿司を実食!
ノドグロをも凌ぐのではないかというレベルの脂
酢飯ができたところで満を持していざ炙り寿司!!
まずはそのまま寿司を握って陶器の器に盛り、バーナーで丁寧に炙る。炙っていると出てくる金目鯛独特の香ばしい皮目と脂の香りが食欲をそそってもうたまらない・・・
ん?脂が皮目だけじゃなく身にも浮いてきてる!?これは今までの金目鯛ではなかった現象だ。多分暖かいうちに食べた方が美味しそう。ということでさっさとテーブルにもっていっていざ実食!!
おお
おおおおおおおおおおお
美味しい!!!!脂のパンチ力半端ない!!
中トロを炙るとこんな感じ?いやこの脂の量は中トロじゃなくて大トロレベルじゃないの?若干口がギトギトするくらいの脂よ?とか思いながら2貫目をとると下に水たまりが・・いや、これは脂だ!!
多すぎる脂がしたたり落ちている・・・!?
正直ここまでの脂だとは思わなかった。トロキンメ凄まじいぜ・・・ここまでだとクロムツとは別のベクトルだが引けを取らない美味しさと認めよう。
この美味しさはクロムツと言うよりノドグロ、アカムツに近い味わいかもしれない。
少し落ち着いてきて3貫目を食べてみる。美味しいとかだけじゃなくてちゃんと冷静に食べてみよう。
熟成金目鯛の炙り寿司がここまで美味しい理由とは
香り+食感+旨味+脂の相乗効果が美味しさのポイントかも
なぜこれほどに美味しいのか。6日熟成させていないにもかかわらず美味しい。4つのポイントの相乗効果が美味しい炙りトロキンメ寿司につながったんだろうなーと思いつつそれぞれのポイントごとに考察してみる。
魚の臭いは無く炙った金目鯛特有の皮目の香りが引き出されている
まず香り。4日目なので魚自体の臭いはほぼない。その上バーナーで炙って香ばしい金目鯛独特の皮目の香りが引き出されているので食欲をそそる香りが出ている状態だ。
香りという観点ではマイナス点をつける箇所は全くなく、炙ったことによるプラス点のみだ。
半生の食感が絶妙な噛み心地を演出してくれる
続いて食感。バーナーで丁寧に炙ることで絶妙な半生の状態になる。これがもう大変美味しい。
生の状態での弾力も含みつつ、表面炙ったところは加熱した時のほぐれやすさをしっかり持っている。この、生でもない加熱されたものでもない噛み心地がすごく良い方向に働いている。
ちなみに以前食べたときに感じたことなのだけれど、金目鯛はしゃぶしゃぶなど半生の状態になると劇的に美味しくなると思う。それは、加熱すると身自体の旨味や香りが出てくるが、半生の状態は丁度生の食感に加熱したときの美味しさがうまく合わさってくるからなのかもしれない。
熟成の旨味は申し分なし
そして旨味。6日目まで熟成させればそりゃもっと旨味が出てくるのだろうが4日目でも十分に旨味は引き出されている状態。その上ここから先は魚の臭いとの戦いになる可能性が高い。
そう考えると今回4日目で食べたというのは大正解だったかもしれない。
脂がこれまでの釣りキンメ史上最強の乗り具合
最後に脂。クロムツと同等の脂の乗りに近い、という表現が一番しっくりくる。
今までの金目鯛は言うほど脂がのっている魚ではなく、だからこそ炙ることで脂のリッチさを分かりやすくすることで一段階美味しく感じやすい状態にすることが金目鯛の美味しさを引き出すコツだと思っていた。
しかし今回の金目鯛は炙ることでそんな上品な感じを吹き飛ばすレベルの、存在感のすごく強いリッチな味わいに化けている。だって寿司から脂がしたたり落ちるほどだよ・・・
トロキンメを食べて金目鯛がなぜ高価なのか少しわかった気がする
金目鯛は一般的には少しお高い高級魚として認知されている。
もちろん産地によるブランドがあり、東京都産や高知県産のものが大体1000円くらいで売られている同時期に静岡産のものは2780円だ。(静岡県内で売られていたキンメの値段)もちろん量は同じくらいのもの。
なぜ2780円という法外な価格に吊り上がっているのか、そもそもそんな価格にするほどの価値ってあるの?と疑問に思っていた。
しかし、炙り寿司を食べていた家族の一言でちょっと高い気持ちが分かった気がする。
「寿司屋で色々なネタを食べた後にこれが来たら確かに金目鯛すごいってなるわ…」
確かに!!!
光物や白身などを食べているところで突然このトロ金目鯛が出てきたら確かに「金目鯛ってすげーな」って評価になると思う。ノドグロが出てくるのと大差ない衝撃を受ける可能性も否定できない。
いやー、トロキンメ状態に進化した金目鯛ってすごく美味しいんだなー・・・脂ノリノリのトロキンメは熟成4日での炙り寿司が最高に美味しいということが分かったのは幸せなことかもしれない。
とお白湯で口に残っている脂を流しながら感慨にふけっていたがとりあえず次回の根魚(中深場)狙いではクロムツじゃなくて金目鯛でも、大きかったらちゃんと喜んでおこうと思う。
次回の釣り計画を立てねば・・・!!!
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