シロムツのレシピならまずは王道のお刺身と塩焼きかな?【4種のレシピを比較解説】

銀皮つきシロムツの刺身お魚レシピ
釣り上げてから3日後のシロムツ刺身

シロムツの良さを一番よく味わえるレシピを考察する

相模湾中深場の釣りで釣ってきたシロムツ三兄弟。以前も数枚釣ったことがあり、クセの全くない上品な良い味だったことは覚えてる。

せっかくなので、シロムツを初めて食べるならどの食べ方が良さそうか、刺身・塩焼き・煮付け・干物といった一般的なレシピ(食べ方)で実際に食べ比べたうえで考察してみた。

初めてシロムツを釣り上げた人や、今まで取り敢えず煮付けにして食べてた人はご参考にどうぞ!

シロムツと呼ばれる魚は2種類存在!クロムツとは完全に別物です

シロムツ三兄弟
平均サイズ20cm~25cm。

今回のシロムツはオオメハタ

実はシロムツという言葉には大きく2種類の魚が含まれる。

地域によってシロムツと呼ばれる魚が違い、オオメハタとワキヤハタがその対象だ。

相模湾の中深場で釣れるシロムツはオオメハタ以外見たことがないが、ワキヤハタもオオメハタと仲間の関係なのでもしかしたら釣れるのかもしれない。

僕が今まで釣ったシロムツはオオメハタ。今回釣ってきた3枚もオオメハタ。

なのでこの記事はオオメハタについて書いている。

同じシロムツでもワキヤハタについては保証の対象外です。

クロムツとシロムツは全然違う種類

シロムツのレシピを探そうとするとクロムツのレシピが結構ヒットしちゃってうんざりしてしまうのでこの記事でも一応触れておこうと思うが、シロムツはクロムツとは全然違う。

クロムツは「スズキ目・ムツ科」で、シロムツ(オオメハタ)は「スズキ目・ホタルジャコ科」

スズキ目だから同じじゃーん!とか思ってしまったあなたに分かりやすくこいつは違うぜ!と思える例をあげると、アジ。

アジは「スズキ目・アジ科」。クロムツとアジは比べようとも思わないくらいに別の魚。ということで、シロムツもクロムツは別物なのだ。

ただ一つ、クロムツと比較されやすいアカムツも実はホタルジャコ科。どうせ比べるならアカムツとシロムツを比べれば良いのになー。

シロムツを4種類のレシピで食べ比べ

早速シロムツを色々なレシピで食べ比べてみる。刺身と煮付け、干物は前回釣った時に食べていたのでその味も振り返りつつ、今回は刺身と炙り刺、塩焼きを試してみた。

シロムツ塩焼きは旨みと甘みの乗った白身で美味い

シロムツ半身の塩焼き
シロムツ半身の塩焼き

半身を刺身にしてみたので残りを塩焼きにしてみた。

むむ、美味しい!!

脂の乗りはあまりないものの、塩で白身の甘みと旨みが引き出されてる。独特の皮目の香りや焼いた香ばしさがまた中々良い風味。

身も全くパサついてなくて骨からの身離れも良い。美味しい上に食べやすい。

美味しくて食べやすいとは・・・改めてシロムツのポテンシャルの高さを感じる。

煮付けは上品な味で薄味が吉

小さいシロムツを丸のまま煮付け
小さいシロムツを丸のまま煮付け

シロムツの煮付け、文句なしに美味しい!!

カレイの煮付けとちょっと似てるけど身質は全然違くてやっぱり緻密な感じ。皮目の香りが煮汁とマッチしていて、ご飯のおかずにとても良い!

塩焼きでも感じたが、味があっさり上品なので青魚のように甘辛くして生姜も足して…というものではなく、醤油みりん日本酒で薄味にしたレシピの方がシロムツにマッチした。

濃い味付けでも美味しかったが、そうなるとシロムツじゃなくても良くね?となったので薄味がおすすめかも。

強すぎる味付けはシロムツの持ち味を押さえ込んでしまうようなので煮付けに限らず強すぎる調味料は、控えめを心がけた方が良さそう。

刺身は美しい銀皮に優しい甘みと歯ごたえが秀逸!

キンメ&シロムツ4種
釣り上げた翌日刺身。シロムツは右の2種。

続いてお刺身。

皮を引くと腹側には銀皮が綺麗に出てくる。キラキラしていて期待が高まるぜ・・・!!

釣り上げてから翌日、さらにそこから2日後で食べてみたところ、どちらにも共通して感じられるのが甘み!アマダイほどではないが2切ほど口にほおばるとしっかり感じられる幸せな甘みを堪能できる。

つまり美味しい!!(さっきから美味しいばっかり書いてる気がする)

釣った翌日に食べた刺身は甘みとしっかりした歯ごたえが他の魚には無い美味しさだ。そこからさらに2日後に食べた刺身は熟成させた分の旨味が強く出ていて、歯ごたえが落ち着いてくる。

どちらもしっかり美味しくて片方の方が美味しいなんて言えない!両方美味しいわこれ!まじで。

もはや好みの問題になってきそう。

炙りとの相性はあまり良くないかも(–;)

シロムツは皮が強いので皮を引くか炙るか湯霜にするかといった選択肢があるが、少なくとも炙りはあまり良い効果がでなかった・・・

脂の乗った魚であれば脂が浮き出てくるし、皮目に独特の香りを持った魚であればその香りが出てくるのだが、、

なぜかシロムツは魚の香りが出るどころか「普通に焦がしたような香り」が出てきてしまった。。

塩焼きにした時は良い香りが出てきたのだけれど確かにシロムツは皮目の香りが優しい。炙るだけだと十分に香りが出るところまでいかないのかもしれない。

干物は旨みが凝縮されてやっぱり美味い

シロムツの干物。塩焼きであれだけ美味かったのだから美味しくないわけがないという期待を裏切らずしっかり旨味が凝縮されていて干物にしたかいがあったと思わせてくれる味だ。

皮の強さがやや残るので食べにくさが若干あるが、しっかり焼けば気になるものではない。

干物を焼いた香りに旨味が詰まった緻密な身質。ご飯との相性は最高!

シロムツの特徴とレシピに関する考察

ここからは実際に食べてみて分かったシロムツの味わいの特徴と、それを味わうにはどのようなレシピがあっていそうかをちょろっと考察してみたい。

シロムツは基本的にどのレシピもいける万能型

シロムツは「やってはいけないレシピ」というものはおそらく存在しない。

身に味があり、身質もしっかりしつつ加熱してパサついたり硬く締まったりすることも無いので何にしても美味しく食べられる万能選手だ。

強い味付けの場合、シロムツの良い所が見えにくくはなるが決して喧嘩するような感じにはならず、良い立役者のような味わいになる。

メジャーではない、というだけで、ごはんのおかずに使う魚として考えると白身のアジと呼べるくらいに超優秀な部類に入ると思う。

シロムツの持つ3つの特徴

食べ比べてみて分かったシロムツの特徴は以下の3点。それぞれ具体的にメモしていく。

  1. 身の上品な甘さと緻密さ
  2. すっきりとした脂の乗り具合
  3. 歯ごたえ(刺身)

身の上品な甘みと緻密さ

刺身、塩焼き、干物で味わえるシロムツの身の甘さは他の魚とは趣が異なり、繊細な雰囲気を持っている。

この甘みを持った味わいは煮付けにすると調味料の味で弱くなるし、揚げ物にすると油の影に隠れてしまう。そのためできるだけシンプルな味付けの方が相性が良いのだと思う。

また、加熱すると身がすごく緻密なことに気づく。

カツオやツナよりはアジや釣りたてのサバの身質に近く、アジを完全に白身にしたものを、イメージすると近いかもしれない。ちなみに、干物にするとメバルに似てくる。

すっきりとした脂の乗り具合

シロムツの釣れる平均サイズでは脂がそこまで乗っているわけではない。炙っても皮目から脂が浮き出てこないので元々多くないのだと推測。

にもかかわらず、パサつきは全く無く、シロムツの上品さと繊細さを強調してくれている。

揚げ物にして油感を足す選択肢もあるが、シロムツに限っては脂は少ない方がよりシロムツっぽさを感じられる。むしろ脂が無くても美味しい白身というのがシロムツの特徴ともいえるのでは

アカムツやクロムツ(全然違う魚だけど)のようなドーンとした脂の感じが無いので、深場の魚としては癒される魚間違いなし。

歯ごたえ(刺身)

これは刺身でしか味わうことが出来ないシロムツ独特のもの。これだけ上品な味わいにも関わらずシロムツの刺身はしっかりとした歯ごたえを持っている。

身が落ち着いていないのではなく、心地良く食べられるのがシロムツの刺身最大の特徴だ。

この歯ごたえは他の魚での例えがあまり思い浮かばない。20数cmの小魚系でシロムツみたいな良い歯ごたえを持っている魚…うーん、やっぱり無いかなー。

シロムツの良さが出てくるレシピは刺身と塩焼きがベストマッチか!

上にあげた3つの特徴、シロムツの良さが大きく出てくるのは間違いなく刺身と塩焼きだ。

お刺身をおすすめする理由

まずシロムツ独特の歯ごたえを味わえるのは刺身に限定される。高鮮度の場合も熟成させた場合も歯ごたえをしっかり持っている魚だ。

また、刺身で感じられる甘み、旨味は加熱した場合の味わいとはまた別の感じ方になる。特に食感とセットでこの甘みと旨味と味わえるのがシロムツの良い所。

これが刺身をおすすめする理由だ。

ということで刺身は食感以外にも味の感じ方が加熱した場合と全く異なるので、騙されたと思って刺身を食べてみてほしい。そして「なるほどねー!!」と納得してもらえるはず。

独特の心地よい歯ごたえと上品な甘みを持った刺身の美味しさは、他の魚とは違うシロムツ独自の味わいだ。

塩焼きをおすすめする理由

これは加熱調理するレシピのうちの代表として一番シンプルな味付けであることと、味付けがシンプルがゆえに、「身の緻密さと食べやすさ、さっぱりした中にある旨味と甘みの美味しさ」というシロムツの良い所が一番わかりやすいということが最大の理由。

ほかのレシピでも美味しいのは間違いないが、シロムツの良さに対する分かりやすさという点では塩焼きが何よりも一番分かりやすい。

まとめ

シロムツ(オオメハタ)を一般的なレシピで食べ比べてみた結果、シロムツには3つの特徴があることが分かった。それは↓だ。

  1. 身の上品な甘さと緻密さ
  2. すっきりとした脂の乗り具合
  3. 歯ごたえ(刺身)

そしてこれらの特徴を味わうなら刺身と塩焼きがおすすめできる。刺身なら甘みと歯ごたえ、塩焼きなら身の緻密さやスッキリとした美味しさ。

まずは刺身と塩焼きでシロムツがどんなところをウリにできる魚なのかを感じみて、そこから色々な料理に応用していくとさらにシロムツを美味しく食べられると思う。

ということで、シロムツ初めての方は是非、刺身と塩焼きで!!

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