クロシビカマス最大の難敵は皮目の骨
クロシビカマスの骨ってなんであんなにあんなんなんですかね。食べづらくてしょうがないっすよ。
この魚は美味しいんです。それは分かるんです。白身だし、小型でも脂のり良いし、塩焼きにしたってお刺身にしたって美味しい。
なんだけど、市場価値はそんなに高くないよね。小田原方面では人気がある地魚らしいけど全国的には流通してないっぽいし、深海系の外道という見られ方が一般的だし。
食べれば味は美味しいクロシビカマス。こいつの市場価値を下げているのはほぼ間違いなく特殊な骨の存在だと思ってる。血合い骨が無いので決して小骨が多いというわけではなく、皮目にある独特の骨が超主張してきてイライラしっぱなしですよ。
始めて小型のクロシビカマスを釣り上げた時は「どんな味がするんだろう?」ってかなりワクワクしてたんだけど、いざ食べてみて、その骨の厄介さにテンションが急降下した記憶はそりゃもう鮮明に覚えてる。
それくらいに皮目の骨の主張がマジで激しい。それがクロシビカマス。
・・骨・・・どうにかしたいんだよね・・・・!!!
ということで、今回の記事ではクロシビカマス特有の骨!を気にせずにどうやったら美味しく食べられるのか。色々な方法で実際に食べてみて「お!これじゃね?」と納得できた方法を紹介する。
この記事はこんな方向け
まさしく↓こんな需要に応えられることがこの記事の目標。
- クロシビカマスの骨ってどうにかなんないの!?とイライラしている
- クロシビカマスって骨が多くて子供に食べさせるには心配・・・
- クロシビカマスの骨を気にせず美味しく食べるための方法を知りたい!!
骨を攻略する方法は4つ!!
スプーン削ぎ
クロシビカマスを相手にするときの一番基本的な技術がこのスプーンを使った方法。ティースプーンを使って少しずつ身を削いでいけば結構簡単に身だけ取ることができる。
あまり大きなスプーンを使わない、というのがポイント。
大きすぎると勢い余って骨ごと身を取ってしまったりして手戻りが起きるので、小さめのスプーンで細かく身を取っていくと失敗が無い。
どんどん取っていけばクロシビカマスの小さいもの一匹でも一山できる。このままネギを加えれば白身のネギトロになるし、薬味と味噌を混ぜて良く叩けばなめろうにもなる。
肝を軽く湯がいて一緒にたたけば上品で濃厚な肝和えも作れたりするのでスプーンで削いだ状態の身も割と万能選手。
骨切り
続いておそらくクロシビカマスの骨処理方法で2番目に有名なのが骨切り。
ニシンを刺身で食べるとき、ハモやヒラを食べるときに使われる手法で、「皮一枚分残して数ミリ間隔で身を切っていく」というもの。
僕も早速試してみたのが↓こちら。始めて骨切りしたけど、見た目は割とそれっぽくなってる。
せっかくなので炙ってお刺身にして食べてみる、と?
脂がすごいね!!
上の写真で見えてる液体が水じゃなくて脂ってのがなかなか。さすがクロシビカマスって感じ。一切れ口に入れて食べてみると、お、やっぱり脂があってこいつは中々「じゃりっ」
・・・・・うーん・・・骨の欠片・・・感じる・・・・・
そこで可能な限り細かく骨切りしてみると骨感が大分無くなって「これならアリ!」に改善!美味しく食べられた。
骨切りは熟練の技が必要と言われるだけあって、素人の骨切りではちょっと中途半端になりがちのようだ。もっと練習すれば骨を一切感じない骨切りができるのかも。
骨ごと切るからそれなりに勢いのようなものも必要だし、たぶん均一に本当に細かく切っていかないとだし、一筋縄ではいかないのが「骨切り」っすね。
骨切りがうまくできれば切り身として扱えるのでこれができるとクロシビカマスの料理の幅が広がるのは間違いなし。
あまり骨切りに慣れてないなら何度も練習する価値は十分あると思う。
魚のサイズ選び
意外と盲点なのがこのポイント。
↓まずこちらが伊東沖で釣り上げた小型と中型のもの。この大きさだと皮目の骨も細い&長い&細かく埋まっているということで切り身にしたら超絶食べにくい。
一方↓こちらは沖の瀬で釣ったもの。長さでいうと↑の中型が40cm前後、↓の一番手前が66cm。これだけの大きさになると骨の大きさも立派になり、皮目の骨の身離れが良くなってそこまで食べにくさを感じなくなってくる。
(しかも脂のりも良くなるのでクロシビカマスは大きくなるほど良い魚)
ベビーキンメとでっかいスミヤキ 太刀魚でいうと5本のドラゴン級を超える
なので、クロシビカマスは小さめであれば問答無用でスプーンを使い、大きければ切り身で煮つけや塩焼きといったように使い分けるのがオススメ。切り身で食べやすいものを求めるのであれば、クロシビカマスは大きいものを選ぼう。
骨に沿った切り身の削ぎ取り
最後に紹介するのはあまり実践されることのないであろう特殊な切りつけ方で、皮目の骨にそって身を削いでいくという方法。
この方法の良いところは骨切りのように細かく刻んだりしていない状態で一切骨を気にすることなく刺身や寿司で食べられるようになるという点だ。クロシビカマスの刺身の、落ち着いた柔らかな食感を味わえるのはこの方法だけだと思う。
柳刃やペティナイフのように刃が細いものを使った方がやりやすい。小さいと切り出せる身も結構小さくなるので、できるだけ大きいクロシビカマスを使うのがポイントかもしれない。
具体的な手順は↓こんな感じで、血合いのそばから刃を入れて皮目の骨に沿わせながら身を切り出す。
切り身の状態 骨の付き方をイメージしながら刃を入れる 骨に沿って刃をくるっと進める
雑な感じだけど、背側の身を切り出すとこんな感じに。慣れてくればもっと大きく切り出すこともできる。切り出した後は、スプーンで削いで丁寧に身をとっていけば余すことなく使い切ることができる。
横からみるとこんな感じ 腹側も取った後
この切り出しは背側と腹側の骨の付き方を理解していないとできないので、初めてクロシビカマスを扱うなら最初にスプーンで削ぎ取って骨がどんな感じについてるものなのか把握してからトライするのがオススメ。
ちなみに今回の切り身の場合は↓こういう感じに骨がついてる。
まとめ
ということでクロシビカマスの骨を攻略する方法は4つ。
- スプーン使って削ぎ取る
- 骨切りに挑戦!
- 大きいサイズのクロシビカマスを使う
- 骨に沿って身を切り出す
一番簡単な処理はスプーンを使うことだと思う。船宿で食べ方を聞いても十中八九スプーンをオススメされるし。そして骨切りや皮目の骨に沿った身の切り出しは練習が必要なので、まずは皮目の骨がどんな感じに埋まっているのかを理解することが大事。
もちろん、大きいサイズのものが手に入ればそれに越したことは無いので魚屋さんで選べるようであれば多少値が張っても大きいものを買っておくのが吉。大きくてもスプーンは使えるから、クロシビカマスは「大は小を兼ねる」が有効な魚だ。
皮目の骨とうまく付き合えれば脂ののったしっとり柔らかな上質の白身を味わえること間違いなしなので、たまーに店頭で見かけるようなことがあればチャレンジしてみよう!!
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