船釣りを始めるにあたり、何が必要なのか?
- 今まで釣りをしたことが無い!
- 海釣りなんて、まして船釣りなんて聞いたことしかなかったぜ!
- そしてこれから船釣りチャレンジしてみたいぜ!!
という方へ!
この記事ではまさしくそんなあなたに向けた情報として整理してみました。
必ず用意しておくべき7つの持ち物と、事前に抑えておきたい3つのポイントに分けて解説します。
「船釣りだからこそ」必要な物を解説
数年前から始めていまやどっぷり船釣りにハマっているが、最初の頃は道具が無くて焦ったことも超絶困ったことも絶対的なピンチに陥ったこともあった。
そんな船釣り完全初心者の頃から重ねてきた失敗や経験から、今では毎回必ず用意している持ち物がある。
それが、船釣りを楽しむにあたって「あった方が良い:nice to have」ではなく「絶対必要になる:must」な7つのアイテム。
身軽に船釣りに行くときもこれだけは準備していく、本当に必ず必要になる(むしろ無いと詰むレベルの)持ち物なので、これから紹介する7つはしっかり準備しておこう。
また、「この事実を知ってたらもっと快適に船釣りができる」という船釣りだからこそ抑えておきたい重要なポイント3点を、僕の経験も交えて紹介する。
船釣りに本当に必要な持ち物7点
早速本題。
こちらのリストが必ず用意しておくべき持ち物7点だ。それぞれ①理由、②どんなものが良いのか、を解説していく。
- 酔い止め
- 日焼け止め
- 船用サンダルor長靴
- ハサミ
- タオル
- クーラーボックス
- 絆創膏
酔い止め
一度船酔いすると少なくともその船に乗っている間に回復することは、今までの経験上ほとんど皆無と言って良い。
なので、貴重な釣り体験を数時間船酔いに耐えただけの記憶にしないためにも酔い止め対策は万全にしておくこと。
「私は船酔いしません!」という方には無縁な話に聞こえるかもしれないが、具体的に以外4つのどれかに当てはまる人は必ず酔い止めの薬を服用しておこう。
- 船酔いしやすい自覚がある
- 船酔いが心配
- 胃腸が弱い
- 湾外での釣りをする予定
いつも使っているのはアネロン
「船酔いしてからでも効く!」と謳っている船酔い薬もあるが僕の場合それが効いたためしはない。
船酔いする前に服用しておくのが吉。
船に乗った後でのギリギリセーフな服用タイミングは「嫌な予感がする」という瞬間だ。軽い船酔いであれば気の持ちようでなんとか耐えることもできるのでこの時に服用しておくのがラストチャンス。
酔い止めの薬でいつも使っているのはアネロン。今のところ他の薬よりしっかり効果が分かるので常備薬にしている。
酔い止め用のリストバンド
酔い止めに効くのは薬だけではない。
手首に酔いにくくなるツボがあり、このツボを刺激してくれるリストバンドが販売されている。
釣りに行く日の波や風が強めの予報になっている時や、少しお腹の体調が微妙で心配な時は薬に加えてこのリストバンドもつけて釣りに臨んでいる。
高価な買い物でもないので、少しでも酔い止め効果を向上させたい場合はつけておくのがオススメ。
日焼け止め
船が港から出航して釣りポイントに向かっているときは、もう早く釣りを始めたくてテンション急上昇になっている頃だろうと思う。
5月以降の暖かい季節になると、大体このあたりのタイミングで気づくはずだ。
「なんか日射し強烈じゃない・・・?」
そう、海は日差しと海面からの照り返しで長時間紫外線にさらされることになる。特に真夏は強烈だ。
基本的に、日中日陰に隠れながら釣りをできるシーンは皆無。船のデッキは蒸し暑いし、船の中央に座れるスペースがあってもそこから釣りはできない。
自分の釣り座で耐えるしかない。
つまり、船釣りの場合は「海からの照り返しで紫外線が強烈」かつ「逃げられる術はない」のだ。
肌が強い、日焼けを気にしない、皮膚がんなんて罹らないという人は良いが、船釣りは登山と同じレベルで強烈な日差しを受け続けるアウトドアスポーツなので、日焼け止めを持っていないと当日は肌が火照ったり痛かったり、数日後になると今度は皮がめくれてきたりと皮膚に大ダメージを負うことになる。
船釣りでは水しぶきを被ることも多く、ウォータープルーフ、紫外線カット力ともに最強レベルのもの(マリンスポーツ用のもの)が必要だ。
普段使っているものとは別で用意しよう。
ちなみにサーフィンなどのマリンスポーツでよく使われているのはバートラ。
高価な買い物に見えるかもしれないが、海のアクティビティにおいて日焼け防止は何よりも重要視した方が良いポイントだ。信頼できる日焼け止めを使おう。
船用サンダルor長靴
意外と忘れがちなのが靴関連。
船のデッキは非常に滑りやすく、裏に滑り止めのついていないサンダルで不安定な船上を歩くのはかなり危険。
船は座るところはまだしも足元は常に濡れている。釣った魚を活かしておくためのバケツが置いてあったり、そのバケツに新鮮な海水を流すためのホースが付いていたりして、釣りを始めるとホースから常に海水が出てくる。
なので、船釣り用の濡れても大丈夫な長靴を用意するか、夏であれば船用のサンダルを用意しておこう。
サンダルは色んな種類があるが、必ず「船釣り用」となっているものを購入すること。船釣り用となっていないサンダルは滑り止めが付いていないことが多いので絶対NG。
ハサミ
どういうときにハサミが必要になるのかピンとこない方が多いと思うので幾つか利用シーンを上げてみたい。
- いざ釣りを開始すると、たとえば餌に使うオキアミの尻尾を切って針にかけたりするが、まずはこのシーンでハサミが活躍する。
- 絡まった仕掛けを切る。危険な魚がかかったときに仕掛けを切る。といった具合に、おもに仕掛けを切る時にハサミが無いともうどうしようもない。
- 釣れた魚の活け締めをするとき、エラをチョン、とカットしたり脳天締めをしたりというときにハサミが1つあると対応できる。
と、少し今までの釣りを思い出しただけでもハサミが欲しくなる場面が超具体的に出てきたが、↑の3つ以外にも「何かを切る」という場面は、船釣りでは多く出くわすもの。
海水に常に触れることになるので、使い勝手の良いステンレス製のハサミを1つもっておくのがおすすめだ。
タオル
タオルは2枚用意しておこう。
まず1枚目は以下のような時に使うための、要するに汚れても良いタオルだ。
- 魚を掴む
- 仕掛けにからまったごみを取り除く
- 餌で汚れた手を海水で洗った後に拭く
そしてもう1枚は釣りが終わった後。下船後、近くの水道水で手を洗ったあとに拭くための清潔なタオルだ。
船宿によっては暖かいお絞りを用意してくれているところもあり、下船後用のタオルはウェットティッシュもアリだと思う。
クーラーボックス
これが無いと釣った魚が腐ってしまうので必須。
発泡スチロールの箱を使うのでも代用できるが、シロギス、カワハギ数枚、カサゴといったサイズが大きくなく、初心者だとそこまで釣れ過ぎない魚に限定される。
上にあげた魚の様な感じでとりあえずちょこっとやってみたいのであれば「キャプテンスタッグの発泡スチロール8L」が丁度良い。
5回ほど使うとボロボロになるけど、軽くて持ち運びが楽だし価格も低いので、お試しで船釣りを体験してみたい時には活躍するアイテム。
一方である程度ちゃんと船釣りをやっていきたい場合は発泡スチロールはNG。
シマノやダイワといった釣り具メーカーから出ているような、保冷性能と堅牢性がしっかりしているクーラーボックスを用意すること。
標準クラスでもお値段1~3万することが多いが、釣れる魚がそれなりに大きくなったりたくさん釣れたりすると相応の保冷力・丈夫さが求められる。
例えば家に持ち帰って捌くのに時間がかかったり、疲れてその日のうちに捌けないケースが良くある。そんな時に釣り専用に作られた保冷力のあるクーラーボックスであれば、翌日朝まで放置していてもキンキンに冷えた状態を保ってくれる。
また、船上は波に揺られていて常に不安定だ。色々なところにガンガン荷物が衝突するのでクーラーボックスも丈夫な物でないとすぐに壊れる可能性が高い。発泡スチロールだとせいぜい5回くらいでボロボロになる、と書いているのはそれが理由だ。
船釣り用クーラーボックスは25Lを目安に選べばOK
色んな魚を釣ってみたいけどどれくらいの大きさを買えばよいか分からないというときは、25Lでいこう。カツオ、マグロといった大型青物を狙う場合はもう少し大きいサイズが必要になるが、基本的に25Lでほとんどの釣り物に対応できている。
僕が普段使用しているクーラーボックスのサイズも25Lだ。
スペックも複数あるので予算に合わせて準備すると良いけどまずは↓の2つくらいが丁度良いラインナップ。
スペーザライトの保冷持続時間は40時間で重さは5.0kg。
船釣り用として必要十分な機能を持っている25Lモデルだ。コスパ良く揃えたいのならこのモデルが適している。
一方のこちらのスペーザベイシスは保冷持続時間45時間で重さは5.9kg。
価格と重さは上がるが代わりに保冷時間が長く、キャスターが付いているので重さを気にせず運ぶことができるのがメリット。
魚や海水が入った状態のクーラーボックスは非常に重く、さらに釣り場と駐車場が離れている港も少なくない。そのため、体力・筋力にやや不安があるのであれば断然こちらがおすすめだ。
ちなみに遠征にいくといったような、屋外で2日以上の保冷が必要になるシーンであれば上記2つのモデルよりさらに高機能な60時間保冷持続可能なものなどを用意した方が良い。
クーラーボックスは初期投資としては結構コストがかかるが、全く損する買い物ではないのでしっかりしたものを選ぼう。
絆創膏
バンドエイドのようなよくあるタイプの普通の絆創膏ではなく、「NICHIBANの防水ばんそうこう」。使っている釣り人を見たことが無いが、絶対これが良い。
船釣りで釣り人が怪我をする箇所は指が非常に多い。仕掛けの投入に失敗して針が刺さったり、釣れた魚のトゲが刺さったり、活け締めする時のナイフの取り扱いを間違えて少し切ってしまったり。
切ったところを放置しておくと海水が沁みて痛いし、釣りに集中できないので絆創膏を貼るのだけれど、普通の絆創膏だと「耐水性」となっているものでも釣りをしている間にふやけてはがれてしまう。
そこで活躍するのが「NICHIBANの防水ばんそうこう」。
平たく言うとすべて全面防水性のテープになっているので、少し切ってしまったくらいなら消毒した後に乾かしてこの絆創膏をくるっと巻いておけば、その後海水が沁みてきて痛みを感じるようなことは無くなる。
何より途中ではがれる心配が無いというのがデカい。何かあったときのためにポケットに一つ入れておくと良い。
釣りの前に抑えておきたい3つのポイント
ここからは、必須で揃えておく持ち物という訳では無いが、僕が前もって知っておきたかった!というポイント3点を紹介する。
どれも船釣りを実際に体験してみないと意外と気づかない、だけど重要なポイントだ。これから船釣りを始める人は先に抑えておこう。
濡れても良い服装や撥水性の服がベター
夏でも冬でも船釣りはそもそも濡れるもの。特に冬は寒いので服装には気をつけたい。
船がスピード出すとしぶきが飛んでくるし、風速18mにもなるとずーっと波のしぶきが飛んでくることもある。
半袖でいける季節(5月~9月目安)は帽子と半袖、下は撥水性のあるパンツとかハーフパンツみたいものが良い。
長袖の季節(10月~4月目安)は絶対に上下撥水性のあるアウターを装備すること。
インナーまで濡れるような事になったら低体温症になるので船室内で待機するしかなくなってしまう。
かなり危険なので寒い時期(関東なら11月~3月上旬)は登山と同じようにレイヤーを考えた服装でないと凍える危険性が大と覚えておこう。
スキーに行く格好くらいで考えておくのが吉。
持っていく飲み物は真水がおすすめ
船に乗ると短い半日船でも4時間ほどは海の上。7時間ほど海の上ということもざらなので、おにぎり2つくらいの食べ物と飲み物500mlくらいは用意しておくと良い。
ちなみに真夏は日陰無しの炎天下での釣りになるので1人当たり1L飲料水は最低限用意しておくこと。2Lペットボトルがあると安心。
※僕の友人は持ってきた飲料水が足りずに一回マジで熱中症になりかけて船長からペットボトルをもらっていた。
そして、船上には真水が無い。
手を洗う=海水ですすぐ、ということになるので、真水のペットボトルを用意していくと重宝する。
仕掛けの追加購入用に現金を用意しておこう
まず、貸竿で釣りに臨むときに必要となる費用は「交通費+船宿の基本料金+ロッドリールレンタル料+仕掛けの料金」と考えおくと良い。
船宿はどこも釣りの種類(狙いたい魚)ごとに基本料金が設定されている。
レンタルセットにはリールの手巻き/電動オプションがあることが多く、手巻きなら300~800円くらい、電動なら1500~2000円ほどが相場。
仕掛けは釣具屋でも売っているが、以下のような事がよくあるので、よくわからなかったら船宿で料金支払い時に合わせて購入するのが良い。
- 船宿ごとに糸の太さや鈎の大きさを指定しているところがある。
- 釣り方が特殊で市販仕掛けでは中々釣れない釣りもある。
- 船長が「この仕掛けなら釣れるぜ!」と謳っている特注でもあることも多い。
- 船宿で売っている仕掛けは市販のものと値段ほとんど変わらないことがほとんど。
そしてこれらの料金支払いはほとんどの場合最初の受付時に支払う。最近は電子決済に対応している船宿も増えてきている。
だが、数千円は現金を用意しておこう。
釣りをしていると根がかりやおマツリでオモリや仕掛けをロストすることがある。
こんな時は船長に伝えて追加で購入することが可能なのだが、船上での支払いは間違いなく現金。電子決済の浸透が遅い船宿業界ではまだまだ現金文化が根強いのでちゃんと準備しておこう。
まとめ
船釣りを最低限の装備で始めるために必要な7点をおさらいするとこんな感じだ。
- 酔い止め・・・薬はアネロンがオススメ。リストバンドも有効。
- 日焼け止め・・・マリンスポーツ用のバートラなど強いものを。
- 船用サンダルor長靴・・・サンダルは船釣り用のものを選ぶこと。
- ハサミ・・・ステンレス製のものを準備しよう。
- タオル・・・2枚準備。
- クーラーボックス・・・ちゃんと始めるなら保冷持続時間の長いものを。
- 絆創膏・・・ニチバンの「防水ばんそうこう」一択。
そして事前に抑えておくべき3つのポイントはこちら。
- 服装は濡れることを前提に準備する
- 真水を持っていくと吉
- 現金もある程度持っていくこと
いずれも船釣り特有の事情に基づくもので僕が実際に困ったシーンを振り返って抽出されたポイントなので頭に入れておいて損は無いと思う。
7つのアイテムに関してはどれが欠けても船釣りに行くには不十分だ。船とはいえ自然相手のアウトドアスポーツ。
万全の準備をしていこう!
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